【事例2】2期連続赤字状態から2,000万円のプラスキャッシュになったシステム開発会社

1.背景・課題

都内にある創業9年目のシステム受託開発会社。年商1億2千万円、従業員数30名。
代表者のコネクションによって大手SIの2次、3次請けによって売上を積み上げてきましたが、単価引き下げによって開発全体の平均粗利益率が低下。

プロジェクトがない期間の固定費が財務を圧迫しており、2期連続の赤字状態にありました。
借入金は銀行より8,000万円。

2.対策

システム開発事業の弱点
IT系には2つの形態があります。開発・販売型と請負型です。

 

開発・販売型は自社でパッケージソフトやスマホアプリを製作し、販売して投資を回収する形式です。請負型は企業や個人から依頼を請け、要件に従って案件ごとに開発を進めるものです。

開発・販売型には投資回収のリスク、請負型には単価と案件発生リスクがあります。

このケースは請負型ですので、事例1の住宅メーカーと同じく「売上の平均化」が必要でした。
ご提案した対策は2つです。

  1. リスケを中心とした財務リストラ
  2. 毎月安定したキャッシュ・インの仕組み作り

2-1.財務リストラ

借り入れ前に必ず読んでおきたい!適正な借入額の計算方法でご紹介していますが、稼いだ営業利益の80%が返済に充てられており、手元現金が増えない状態でした。

この状態を解消するためにリスケ交渉に着手。経営改善計画策定の上、月次返済額を150万円→15万円に削減。結果、年間2,220万円のプラスキャッシュになりました。合わせて、

・人件費の見直し
・オフィスの移転

を実施。この2点で年間でさらに約1,000万円のキャッシュ・プラス状態にしました。
(まるまる1,000万円が残るわけではありません。この時点での想定値ですのでご注意ください)

 2-2.毎月安定したキャッシュ・インの仕組み作り

財務リストラを実行しつつ、既存顧客ルートを活用したエンジニア派遣業の展開を進めました。
月額単価70〜90万円程度としてプロジェクト空白期間を中心に実施。

ただし、このままでは「行って来い」のため、固定費カバーにとどまり、キャッシュ・フローの増加には至りません。

さらなる補完として、事業立ち上げに伴い正社員から業務委託契約への切り替えを実施。特別徴収などの業務負担軽減、税金・社会保険料の削減の結果、年間約1,000万円が浮きました。

2-3.運用ビジネスへの参入

開発だけでは資金が安定しないため、開発済アプリケーションの運用保守ビジネスへの深耕を進めています。

開発案件受注時に、運用設計についても提案するようにし、第一フェーズとして、エンジニア派遣業務と兼ね合わせ、運用担当者の準備から着手。

今後はサーバーの委託業務などに取り組んでいく計画です。

3.結果

月次のキャッシュアウト削減と、追加事業によるキャッシュ・インにより、年間約2,000万円を生み出すことができました。

ただし、そのまま通常返済に戻すと資金が残らないため、リスケは継続しています。運用ビジネスに関わる人員確保の費用として確保し、売上状況を見て、銀行との交渉を進める運びです。