想像以上のアイデアが見つかる「発想の補助線」

自著「儲けのしくみ」に足りなかったもの

発売部数 約4万3,000部に及んだ「儲けのしくみ 50万円からできるビジネスモデル50」は、全国400万社の中小企業や個人事業主、そして起業を予定している方々に向け、2017年上梓した。

執筆当初、新しいアイデアは、多くの事例によって触発を受けるものと考えていた。50もの事例があれば、読んだ方の中で必ず何か生まれるはずだと確信があった。

実際、読者の方々からは、たくさんの嬉しいお声を頂いた。
書籍代の元が取れ、十分すぎるお釣りが来るアイデアがいくつも浮かんだ。新規事業創出向けにこの本を社内で配布した結果、驚くようなアイデアが集まったなど。

一方、厳しいお声もたくさん頂いた。
「目を通したが、何も思い浮かばなかった」「時間の無駄だった」

ショックだったが、事例を見てアイデアが浮かぶ人もいれば、そうはならない人もいる。
つまり、“偏り”があることは紛れもない事実だ。

ただ、これをよく言われるような「センス」の問題で片付けたくはない。だれもが画期的なビジネスを生み出せるようにしたい、そう願いを込めて原稿をまとめたのだ。にも関わらず、そうはなっていない。

おおよそ、当初描いていたイメージとはあまりに程遠い。

いったい、何が足りないのか?
なぜ、“偏り”が生まれてしまうのか?
そもそも論、事例を以って「創発」を起こす方法自体、誤りだったのか?

自らの要領の悪さには愛想が尽きるが、これらの問いに答えるために、3年もの時間を要してしまった。ただ、おかげで確信と根拠のある解決策を見出すことができた。

それがこの「発想の補助線」だ。

“発想の偏り”を引き起こす原因

結論から述べたい。
“発想の偏り”を引き起こす原因には大きく次の2つがある。

1つは、事例を要約した「公式」。
そしてもう1つが、人間に備わっている心理・機能の問題だ。

そもそも、50の事例はそれぞれの事実に過ぎず、それ自体は発想の広がりを持たない。そこで、発想を促すために事例の要諦を抽出し、これを「公式」とした。結果、オズボーンのチェックリストの拡張版のような様子になっている。

例えば、もはや東京都内では敵なし状態のお酒のディスカウントストア「カクヤス」。この事例では、「ヤマト運輸」という「他業種の要素をかけ合わせる」という公式で、成功していると述べた。

「公式」を見た人(読んだ人)は、

「なるほど、確かにそうだな。今考えていることに他業種の要素を加えられないだろうか」

と考えるだろう。
しかし、ここに問題があった。
“他業種の要素”をどれだけ知っているかという点だ。

「他業種の要素」と聞いて、いくつも思い浮かぶ人もいれば、2,3個しか思い浮かばない人、更には何も、という人もいる。発想する側の経験、知識によって大きな差が生まれてしまう。

つまり、“他業種の要素“では言葉として「解像度」が低い。

20世紀の言語哲学者ウィトゲンシュタインは、「言語ゲーム」という概念を示した。

Aは石材によって建築を行なう。石材には台石、柱石、石版、梁石がある。BはAに石材を渡さねばならないが、その順番はAがそれらを必要とする順番である。この目的のために、二人は「台石」「柱石」「石版」「梁石」という語からなる一つの言語を使用する。Aはこれらの語を叫ぶ。―Bは、それらの叫びに応じて、もっていくよう教えられたとおりの石材を、もっていく。―これを完全に原初的な言語と考えよ。

人は、石材ではなく、「台石」というレベルまで分解したもので理解=イメージ、ウィトゲンシュタインの写像理論でいう「像」=言葉を聞いて人がイメージするもの、ができる。

「他業種の要素」はこの例でいう「石材」の状態にある。

無論、「他業種の要素」も「石材」も言葉としては理解できる。しかし、発想の材料としては抽象度が高く、イメージに偏りができてしまう。(石材と聞いて、台石を思い浮かべる人もいれば、そもそも思い浮かばない人もいる)

「台石」「柱石」「石版」「梁石」のような「像」の単位にまで分解し、これらすべてを列挙することで、よりイメージがしやすくする必要がある。

「他業種の要素」なら、例えば、業務フロー、ターゲット顧客、課金体系などのカテゴリーで、それぞれ「運送」、「シニア」、「ワンコイン」といったようなものが「像」、つまり具体的なイメージを促す単位になる。

発想にまつわる人間特有の問題

発想の“偏り”を生みだす原因のもう1つは、人間に備わっている心理・機能だ。

行動経済学では「利用可能性ヒューリスティクス」、脳科学では「ヘブの法則」と呼ばれているもので、簡単に言えば、「思い出しやすいこと」を思い出す性質のことだ。

利用可能性ヒューリスティクス

行動経済学の用語の1つで、思い出しやすい・入手しやすい情報に頼って判断する認知バイアスの1つだ。第一人者である南オーストラリア大学選択研究所のミシェル・バデリー教授は、

知識を活用するのは、会議の直前に大急ぎで書類だなを漁(あさ)るときと似ている。そんなときは一番最初に目に入った、会議の内容と関連性のありそうなファイルを持っていく。時間と労力をかけてすべてのファイルをチェックし、一番関連性の高い情報の含まれているものを探したりはしない。その結果、ときには重要な情報を見落とし、失敗を犯すことがある。

と説明する。

つまり、人間は特に工夫がなければ、「思い出しやすいこと」を「思い出す」。同じ事例を目にしても、関連する「A」が思い浮かぶ人と、「B」が浮かぶ人がいるわけである。無論、何も浮かばない人も出てくる。

ヘブの法則

思い出しやすいことを思い出すという性質は、脳科学でも明らかになっている。脳科学辞典によると、ヘブの法則とは、

「細胞Aの軸索が細胞Bを発火させるのに十分近くにあり、繰り返しあるいは絶え間なくその発火に参加するとき、いくつかの成長過程あるいは代謝変化が一方あるいは両方の細胞に起こり、細胞Bを発火させる細胞の1つとして細胞Aの効率が増加する。」
要約すれば「ニューロンAの発火がニューロンBを発火させると2つのニューロンの結合が強まる」となる。これは脳の中で起こっている記憶の基礎現象であると考えられる。つまり、記憶とは適切なニューロン同士の結合力の変化であると定式化できる。(出典:脳科学辞典https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%98%E3%83%96%E5%89%87)

同じことを繰り返し覚えることで、記憶が定着する。周知の事実の一つだ。
認知心理学では、「機能的固着」とも呼ばれている。

この性質は、人の記憶には、環境や意図的な体験によって、強・弱ができてしまうことも同時に明らかにしている。

記憶の強・弱は、「リスク・マネジメント」の分野で活用されている「3つの領域」によってよりわかりやすく説明がつく。

■3つの認識領域

「知られていると知られていることがある」

これは、イラク政府がテロリスト集団に大量破壊兵器を提供している証拠がないことを記者会見でとがめられた、2002年2月当時のアメリカ国務長官ドナルド・ラムズフェルドによる返答ないし論法として知られる。

「何かがなかったという報告は、いつ聞いても面白い。知ってのとおり、知られていると知られていること、つまり知っていると知っていることがあるからだ。知られていないと知られていることがあることも我々は知っている。言ってみれば、我々は知らない何かがあるということを知っている。しかし、知られていないと知られていないこと、つまり、我々が知らないと知らないこともある」

この禅問答のような文章は、次の3つの領域に分かれる。

・Known Knowns
知っているし、理解できている
例)今の業界や職種、仕事の流れ、関連する専門用語

・Known Unknowns
言葉は知っているが、詳細はわからない
例)ニュースの中身、他部門や専門外のこと

・Unknown Unknowns
知らないし、理解もできない
例)他業界のこと、興味のないこと

3つの領域に分かれていること自体、日常においては何ら支障がない。
しかし、いざ発想するとなったとき、3つのうち、KUとUUが悩ましい存在に早変わりする。

新しいビジネスの発想で求められるのは、当然「今までにない切り口」だ。それらはKUとUUに存在する可能性が高い。

例えば、先述した「カクヤス」の事例に沿えば、他業種の要素である「ヤマト運輸」というキーワードが成功のカギを握っていた。

もちろん、「ヤマト運輸」という言葉を知らない人はいない。
しかし、ヤマト運輸に勤めている(いた)人を除いて、「ヤマト運輸」というキーワードは、KK(よく知っている言葉)ではなく、KU(聞いたことはある程度の言葉)に属している。つまり、そう簡単にパッと出てこない可能性が高い。

KUやUUに属するキーワードが出てくるかどうか、知識や経験によって個人差があるのだ。
とはいえ、“記憶のグラデーション”は、先述した「ヘブの法則」など人間の脳機能の一部でもあるため、それ自体を無くしてしまうことはできない。

KU(聞いたことはある程度の言葉)、UU(そもそも知らない言葉)も確実に発想の材料として使える状態=「ヤマト運輸」というキーワードが確実に認識できる状態が必要不可欠なのだ。

解決策(発想の補助線)

発想を妨げるもしくは、偏りを生み出してしまう原因は2つあった。

1)「公式」では抽象度が高く、発想する個人の知識や経験による差が生まれてしまう。

2)人の記憶には思い出しやすい領域とそうではない領域などの“記憶のグラデーション”が存在する。

それぞれの解決策として、

1)具体的な語彙レベルに分解して提示する
2)思い出しにくい部分を「見える化」する

を導き出した。
この2点を反映したのが、「発想用データベース」と「フレームストーミング」だ。

発想用データベース

新しいビジネスモデルを生みだすために必要となるキーワード、7種類、約1300個を一覧にまとめたものだ。

この中にはさきほどの3つの領域で示した、KK(知っていること)、KU(詳しくは知らないこと)、そしてUU(知らないこと)が含まれている。

活用すべき最大のポイントは、KUだ。
先述した「ヤマト運輸」もヤマト運輸に勤務経験がある人を除いて、大半の人にとってKUだった。しかし、このKU(詳しくは知らないこと)こそ、今までにはない切り口を生みだすカギになる。
このあいまいなキーワードを眼前に持ってくることで、“偏り”のない発想が可能になる。

フレームストーミング

マシュー・E・メイ著「問題解決脳のつくり方」で紹介されている「問い」を用いた“ブレスト”だ。
ブレストは、半世紀以上の歴史を持つ有名な発想法の1つだが、「答え」を出そうとすると、「主観的に」なってしまう。フレームストーミングは、質問することで、フレーム、つまり問題の枠を明らかにしようとする手法だ。

問題解決脳のつくり方では、3つの形式「なぜ(WHY)、どうすれば(HOW)、もし〜ならば(IF)」が紹介されている。それをさらに拡大させ、16個の形式にしたものをアイデア創出に活用する。

■ 問いの効果

「問い」の効果は、さまざまな分野で合理的であることはすでに明らかだ。心理学者ヘンリー・マレーの「マレーの欲求リスト」の「説明欲求」に該当し、NLP(神経言語プログラミング)では「空白の原則」と呼ばれる人間の脳の3大原則の1つに則っている。

例えば、

4+□=18

と見れば、思わず□を埋めたくなる。
同様に、突然「今、何時ですか?」と聞かれたら、一瞬驚くかもしれないが、「○○時ですよ」と答えたくなるだろう。実際に返事をするかどうかは別として。これが問いの力だ。

「問い」にはもう1つ強力な機能が含まれている。

「客観性の獲得」だ。

私たちは、どうしてもいきなり「答え」を探してしまう。
よくありがちな例として、営業の成績が下がった。問題は何か?
といったことある。

こうした問題に対して、

・営業マンの能力が低い。即戦力になる中途採用を進めるべきだ。
・部門間の連携がうまくいっていない。システムを見直すべきだ。

といった「解決策」を探したくなる。
しかし、これらはすべて「主観的」だ。
また、このやり方を続けると、すぐに答えが煮詰まってしまうことは会議などで経験済だ。一方の「問い」は、

 ・なぜ、営業の成績が下がったのだろうか?
 ・営業マン全員だろうか?それとも一部だろうか?
 ・下がった原因は営業マンに帰結することだろうか?
  それとも他の原因があるのだろうか?
 ・これまで順調に推移していた理由はなんだろうか?
  それとも本当に順調だったのだろうか?
  そもそも、弊社にとって「順調な」売上とはどのようなものだろうか?
 ・なぜ、それが順調だと言えるのだろうか?
 ・そもそもなぜ、弊社の製品を購入してくれていたのだろうか?

といった具合に、いくらでも立てることができる。
また、問いはどのような内容であれ、「客観的」な文脈を持ち、対象に対して、一定の距離を持つことができる。
つまり、自分が出した答えをまさに「第三者の目」で見直すことが可能になる。

92.3%の人が「自分が考えたものとは思えない」との結果

「発想の補助線」を用いた講座及びコンサルティングを2018年7月から2019年10月までの間に、大阪市など公的機関での開催を含め、計18回実施した。延べ225名の参加があった。

(受講者の声)


 

「発想の補助線」が生みだす効果

この解決策で得られる効果・結果は次の3点だ。

1)圧倒的なアイデアの数
2)想像以上のアイデア
3)隠れた前提を書き換える

1)圧倒的なアイデアの数

ほぼ毎回ほとんどの受講者から異口同音に言われたのが「時間が足りない」だ。アイデアがもっと出そうな感覚になるのだという。
セミナーや研修の類いに参加した人ならわかるだろう。完全に真逆の感覚なのだ。

2)想像以上のアイデア

先述したとおり、発想用データベースとフレームストーミングの機能によって、自分の意識していない(知らないわけではないが、スッと出てこない)切り口が次々と浮かぶ。

3)「隠れた前提」を書き換える

3つめはアイデア創出そのものには直接関連しない。
しかし、極めて重要なメリットだ。

人間の思考には必ず「隠れた前提」がある。

例えば、朝、いつもの時間よりも遅く起きてしまい、起きる瞬間、つまり覚醒したとき、「ああ、今日遅刻したらマズイな」と思う。
結果、通勤電車に乗り遅れてしまう。

この一言の裏側には、“非言語状態”、つまり言葉になっていない前提がある。それは、「遅刻する可能性がある」、だ。
心理学用語で「予言の自己実現」と呼ばれる状態を作り出す。

遅刻してしまうかもしれない →(だから)→マズイな、と思考している。つまり、「遅刻する可能性」を否定していない。

禅問答のようだが、確実に間に合うとの確信があるなら、この前提は立たない。むしろ、○○時に行って、あのタスクを○○時までに済ませておこうなどとなっているはずだ。

同様に、日頃受ける相談内容にもこの隠れた前提がある。
例えば、

“どうすればもっとアイデアがでるだろうか”
“いいアイデアを生みだすためにはどう考えればいいのだろうか”

これらには隠れた前提がある。
それは、「自分ではうまく発想できないのでは?」だ。

発想できる、できないは能力とは全く関係ない。
遅刻も同じだ。病気や事故を除いて、必ず遅刻するという根拠などあるはずがない。ただ、当人がそのような「前提」を立ててしまっているだけなのだ。
この「発想の補助線」によってアイデアが溢れ出すようになれば、この隠れた前提を書き換えることができる。

つまり、「アイデアが浮かばないのではないか」ではなく、
「アイデアが浮かびそうだ」に前提を書き換えることができる。

個別コンサルティング終了後も、この効果は永続する。

個別コンサルティング「発想の補助線」サマリー

発想用データベースとフレームストーミングという手法を用いた
まったく新しいビジネス発想法を用いたコンサルティング

・発想用データベースとは何か

ビジネスアイデアに関する約1300個のキーワード群。
これらを眺めながら発想することで、「忘れていたこと」や「強い記憶ではないこと」を新しいビジネス発想に転用できる。

・フレームストーミングとは何か

質問形式によるアイデア創出方法。
人の脳は、「質問されるとつい答えたくなる性質」を持っている。
これを活かして、新しいビジネスアイデアに欠かせない「問い」を見ながら、発想することで、自分自身でも思ってもいなかったような答えを引き出すことができる。

1.対象

新しいビジネスアイデアを考え出したい人すべて

・起業予定者(具体的な計画がなくてもOK)
・経営者(個人、法人)
・新規事業企画担当者

2.コンサルティング形式【コースと料金】

【個人向け】
:マン・ツー・マン型(対面、zoom)

 

【法人向け】
:企業内でのアイデア・フラッシュ。
3人以上の参加で行う「発想の補助線」を用いたアイデア創出。

※金額はいずれも税込

3.コンサルティングの流れ(概略)

4.注意事項

1.個人情報を含む情報の取り扱い
お申込みの際にお預かりする情報については、プライバシーポリシーをご確認ください。

2.会話内容の録音
対面でのセッション時、すべてスマートフォンによる「録音」をさせて頂いています。
これは、あなたの言葉を、一句たりとも聞き逃さず、集中してお話を伺うためです。(メモやノートの記入中、その集中力が途絶えるため)予めご了承ください。

なお、録音内容は内容の書き起こしと、それによるドキュメント作成のみを目的としたもので、それ以外に使用することは一切ありません。また、コンサルティング終了後、すべて消去します。

3.配布ドキュメントの著作権
お渡しするドキュメントはすべて、フィナンシャル・ノートに著作権があります。コンサルティングを通じて作成したドキュメントについてはこの限りではありません。
無償・有償および事前の通告の有無を問わず、当該ドキュメント類を直接またはWEBその他を通じて第三者に配布することは一切了承しておりません。

お申し込み

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お問い合わせ

お問い合わせは、こちのお問い合わせフォームまたは、

info@(半角)financial-note.comまで、
・氏名
・連絡先
・お問い合わせ内容
を記載の上、お送りください。

最後に

「発想=自分の頭で考えるもの」からの“コペルニクス的転回”

現在あるものも含めて、すべての発想法に共通するのが、「属人的」である点だ。つまり、アイデアを出す人の「知識、経験」に依存している。

ある有名セレクトショップで、社内を挙げ、新規事業創出の大会を開催した。最優秀、優秀、など優れたアイデアには賞金を出すというものだった。
2,000名以上いる社員からは300近いアイデアが集まった。
そして、特に優れていると判断されたアイデアには、予定どおりそれぞれ賞が送られた。

しかし、大会後、創業者にして代表者であるCEOが感じたのは、
「どれも以前自分が考えたことがあるものばかりだ。もっと驚くようなアイデアが出てくるのではと期待していたが、残念」だった。

果たして、アイデアを出す側の社員の問題だろうか?

絶対に違うと断言したい。
彼ら、彼女らは日頃、企業で各人が専従する業務を全うしている。
その遂行のために、専門知識や関連する経験を長い時間をかけ積み上げてきた。だから、企業は滞りなく回っている。

一方で、アイデアで求められるものは、それではない。
今までにないような斬新な切り口や、驚くような視点だ。
つまり、日頃用いている「知識や経験」の外にある知識や経験が求められるのだ。いわんやそれらは、日頃「無用の長物」的扱いを受けている。

日頃フル活用している専門知識を離れ、無用の長物化した知識や情報を使って、新しい切り口を見つけ出す。
結果、どこかで見聞きしたようなアイデアばかりになってしまう。
極めて自然な流れなのだ

人の知識には限界があり、さらに偏りがある。
アイデア発想には、アイデアを出す=頭を振り絞るという暗黙の共通了解がある。しかし、すでに頭の中にあるものを吐き出す方法には限界がある。

そもそも論、自分の頭だけで発想しなければならないという規則も規制もない。ビジネスにおいては、法律に触れない限り、他社の模倣すらもアリだ。ならば、アイデア発想の際、発想を促す「チート」があっても良い。

繰り返しになるが、自分の頭だけで考える限り、「同じようなアイデア」になってしまうのはごく自然なことだ。想像を超えるアイデアを出すためには、「自分の頭以外」の何かが必要なのだ。

いいアイデア、それこそUberEatsのような成功モデルを見つけ出すのは、決して、頭の良さやセンスといったそれこそ「抽象的概念」の影響によるものではない。ただ、人が見落としていることを見つけ出すことができたかどうか、それだけなのだ。つまりは、「運」によるものだ。

発想を「偶然の」ではなく限りなく「蓋然性の高い」産物に換える。
これまでの発想方法とは確実に一線を画し、それこそ「コペルニクス的転回」とも言える試みだが、2年以上の時間を投入し、その確実性はすでに担保している。

ここから第2のUberEatsを生みだす。
そう強く信じて止まない。