編集ご担当者様へ

私と本

本は私にとって特別な存在です。
3日と空けずに書店を覗くたび、とても幸せな気持ちにしてくれる大切な人生のパートナーの一人です。

「人生とは、素晴らしい本に何冊出会えたかで決まる」

高校2年生の冬、学校の最寄り駅近くにあった小さな書店でなんとなく手に取った文庫本で見つけた言葉です。

以来20数年。
少なくとも私にとってこの言葉は本物でした。
困ったときにはいつも本を開きました。
なければ、何をおいてもまっさきに書店に走りました。
知らない分野なら、初心者向けを手始めに、自分が求めている“答え”にたどり着くまで、何冊も購入し続けました。

驚きは幾度もありました。
感動もたくさんありました。
なんだか自分が賢くなったような気分にもさせてくれました。
どう進んでいいのか、何をすればいいのか、もうどうしようもなくなったとき、いつも手を差し伸べてくれました。

自分で仕事をするようになって、誰にも頼れないと覚悟を決めた日もそうでした。いつでも側にいて、私に可能性と驚き、そして新しい世界を見せてくれました。

私にとって本は人生のパートナーなのです。

 

本?もったいないよ。ネットで調べればタダじゃん

私を悲しい気持ちにさせる言葉です。
私は、「買うお金が足りないな」とは思ったことはあっても、一度も「本が高い」と思ったことがありません。

2000年に引退された上岡龍太郎さんの言葉がとても印象に残っています。

「本は、著者ががその人生で学んだ、経験したことすべてを書き記している。それをわずか1,000円ほどで提供してくれている。こんなに有り難いことはない」

紙の本は、何かの情報がまとまった以上の存在だと思っています。
ネットで十分だという人もいるでしょう。情報としての性質を持つ以上、仕方がないのかもしれません。でも、それ以上の力が込められているような気がしてならないのです。

編集者さんの魂が宿っているのかもしれません。

そんなことを考えている私が今度は本を書く立場になりました。
おかげさまで、2冊目が刊行し、3冊目の執筆をスタートしたところです。原稿を書かせて頂く上で、わたしになりに次のようなポリシーを定めています。

原稿執筆のポリシー

1.いわゆる著者購入はしません

とくにビジネス書に顕著ですが、発売月における数百冊に及ぶ「著者購入」がときどき見受けられます。

本は、本来その本によって抱えている問題が解決する人のためにあって、著者の印税や、ブランディング、はてはメンツのためにあるのではない、と考えています。

だから、私は著者購入を一切しません。

2.原稿執筆は、システム・プロジェクトのように

ITのシステム構築でもっとも重要なフェーズが、顧客との「ゴールイメージの共有」です。そのすり合わせを行う「要件定義」が、原稿執筆にも当てはまります。

お問い合わせ頂いたあと、ご面談を経て、ディスカッションを幾度も重ねさせて頂きます。少なくとも1ヶ月〜最長2ヶ月程度の時間をと思っています。

この手続きを経て、全体のコンセプト、展開、文章の表情などを決めさせて頂きます。

・ページ数が足りなくて、慌てて外部に頼まなければならない
・出来上がってみると、一貫性に欠けて読みづらい

といった、編集ご担当者様を悩ませる問題の発生を防ぎ、スムーズな原稿完成を目指しています。

わたしは、「手戻り」しない原稿完成をします。

3.再読前提の本を書く

紙の本は、残念ながら「情報を得る」という点ではもはやインターネットに及ばなくなりつつあります。

しかし、ネットにも弱点があります。

任意に繰り返して見ること、です。

紙の書籍は「折り目」をつけることができます。
一通りざっと読んだあと、折り目をつけた部分だけを再読する。
日頃、大量に読書をする人に多い習慣です。

ネットならブックマーク、電子書籍なら「しおり」という機能があります。ただ、読み返しの際、しおりを一つずつ見ていかなければなりません。
紙の書籍のように、ざっと見返すことができないのです。

100ページ目を見たあと、32ページに戻る、といったような紙であれば当然のことができないという欠点を持っています。

漫画のようにストーリーを持つものであれば、このような機能は不要でしょう。しかし、ビジネス書は読むためではなく、「活用するため」にあります。読みたいところだけをざっと見る。確認する。

私は、「何度も読み返したくなる」本を目指しています。

 

一度、話を聞いてみたい。
もし、そう思っていただけるようでしたら、これほど嬉しいことは他にありません。ぜひ、ご連絡ください。

心からお待ちしています。

 

酒井 威津善(さかい・いつよし)

 連絡先メールアドレス:
 sakai@financial-note.com

※必ず、24時間以内にご返事を入れさせて頂きます。