新しいビジネスモデルを発想する「4つの軸」とは?
- 2016.07.10
- 発想法
- ビジネスモデル発想法
この4つの軸は、すでに様々なビジネスで使用されていますが、各軸のメモリや、軸足を変えることで新しいビジネスモデルの発見につながります。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
第1の軸「対立概念」
1つめの軸は、「対立概念」です。
なんとなく聞いたことがある人もいると思います。
対立概念とは、「男性と女性」「表と裏」「善と悪」など中間が存在せず、対立している概念のことです。
(男性と女性が厳密に対立概念なのか、とはツッコまないでください。笑)
この軸がどのようにビジネスに活かせるのか。
ズバリ、反対に存在するものが使えないか、という視点です。
例えば、外食と自炊。
外食産業が厳しい今、外食で用いられている食材を自炊用に販売できないか。
宅配と何が違うのかと言われそうですが、宅配の場合、調理済でその商品に調理にかかる人件費、光熱費が上乗せされるため、当然価格が張ります。
生協、オイシックスなど食材販売とは、「日常性」「非日常性」で住み分けが考えられます。例えば、あのミシュランで1つ星を取った表参道の伊レストランの名物パスタが自宅で簡単に。といった感じでしょう。
私たちの生活でもっとも身近な存在、コンビニにはこれに該当する商品が以前から販売されています。「即席ラーメン」です。福岡の行列ができるA店のラーメン!といった商品を見たことがあると思います。
→を反対にして考えることももちろん可能です。
家で食べていたような、たとえば「おふくろの味」。これを外食にしてみる。すでにビジネスとして存在しています。
「かっぽうぎ」
http://www.kappougi.jp/
対立概念は、もちろんこれだけに留まりません。「エキナカ」なども駅の外と中。この着想で生まれたビジネスモデルです。
ぜひ、身の回りを中心に対立概念がないか、あれば順番を変えるとどうなるかを考えてみてください。
第2の軸「シーケンシャル」
シーケンシャルとは、順序的、逐次的、連続的な事柄をいいます。例えば、上・中・下、高・中・低、1,2、3などです。
さて、この軸をどこに当てはめるか。
例えば、「価格」です。高価格〜低価格ですね。
この軸をズラすと、高価格のものを低価格に、低価格のものを中価格に。といったことが考えられます。
価格だけではありません。
「時間」なども当てはまります。長時間〜短時間。
長時間かかっていたサービスを時間の短縮を図ってみる。
もちろん、その逆もあります。
時間は短いほうがいいんじゃ・・・・
いえいえ。ちゃんと存在します。短時間のものを長時間に切り替えたビジネスが。
例えば、JR九州やJR東日本が提供するクルーズトレインです。
JR東日本「四季島」
http://www.jreast.co.jp/shiki-shima/
1泊2日でスイートを利用すると、なんとお一人さま32万円!!
もちろん、飛行機を使ったほうが余裕で早く回れます。
そこをあえて、長時間かけて列車の旅としているわけです。
第3の軸「ビジネスプロセス」
ビジネスプロセスには2つ存在します。
需要と供給、つまり「提供側=企業」と「利用側=顧客」のプロセスです。
企業側のプロセスはご存知、バリューチェーン。
競争戦略の第一人者であるマイケル・E・ポーターが提唱した理論で、原材料の調達から製品・サービスが
顧客に届くまでの企業活動を、一連の価値(Value)の連鎖(Chain)としてとらえる考え方です。
例えば、倉庫業。
①倉庫建設 → ②営業活動 → ③契約締結 → ④保管業務 → ⑤付帯業務
もう一方の顧客側は、(いろいろパターンがありますが)例えば、AIDMA。(古いですが、ご容赦を。わかりやすさ優先で)
Attention(注意、認知)→Interest(興味、関心)→Desire(欲求)→Motive(動機)→Action(行動)
要は、顧客が商品やサービスの購入までに至るプロセスです。
この2つは、それぞれビジネスにおける「提供側」と「利用側」のそれぞれの動きを表すものです。このそれぞれの流れのどこかを変えられないか。これが第三の軸です。
単純に流れを入れ替えることも可能ですし、流れのどこかを取り出すことも考えられます。
例えば、先ほどの倉庫業の場合、⑤の付帯業務に特化したサービスなどが考えられるでしょう。
つまり、すでに倉庫業を行っている他社に対して、顧客の荷物が保管された倉庫のセキュリティサービスを提供する、ピッキング機能だけを提供するといったことが考えられます。
第4の軸「カテゴリー」
最後、4つめの軸は「カテゴリー」。
地域、産業、業態、種類などといったカテゴリーです。
新しいビジネスを考えるとき、同じ業態、つまり同一カテゴリー内での発想をしがちです。
そこをあえて、別のカテゴリーに当てはめてみる。
これが第4の軸です。
例えば、地域。
北海道にしか売られていない商品を東京に持ってくる。
東南アジアで流行っているものを日本に持ち込む、といったことです。
産業のカテゴリーなら、自動車産業で使われている販売手法をホテル産業に持ちこんでみる。(できるかどうかはわかりません。)といった感じです。
以上、4つの軸をご紹介していましたが、それぞれの軸は単体ではなく掛け合わせることも
可能です。ビジネスプロセスを変え、別の産業のやり方を持ち込んでみる、などです。
日頃利用しているサービスや、上場を果たしている企業のビジネスモデルを4つの軸に当てはめどこかチェンジできないか、考えてみてください。
なお、いいアイデアを思いつかなければ!と力まないでくださいね。
むしろ、「ゲーム」をやるように肩の力を抜いて、リラックスしながら気軽な気分で取り組んで下さい。自分でも驚くような斬新なビジネスモデルに巡り会えるはずです。
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