【プロダクト3層モデル図鑑100】043_銀行
- 2025.11.05
- プロダクト3層モデル図鑑

銀行は、私たちの生活において、「安全・便利に資産を管理したい」という根幹的なニーズを満たす金融サービスを提供する場です。添付のプロダクト3層モデルの図は、この銀行サービスが持つ価値構造が、信頼性、利便性、そして多岐にわたるサービスによってどのように構成されているかを明確に示しています。
今回は、この図を基に、銀行サービスが提供する多層的な魅力を紐解いていきましょう。
銀行のプロダクト3層モデル
1. 中核: 顧客が本当に得たい「中核の価値」
銀行が提供する最も基本的な価値、つまり「顧客が本当に得たいもの」は何でしょうか。
それは、図の中央にある通り「安全、便利に資産を管理したい」というニーズの充足です。この中核的な価値は、「将来への不安を解消したい」「資産を増やしたい」「決済をスムーズに行いたい」といった、顧客の経済活動全般に関わる深層的な願望を達成するための土台となります。
2. 実体: 製品の「具体的な形と特性」
次に、中核の価値を実現するための具体的なサービス特性、すなわち「実体の製品」を見ていきます。銀行の機能、品質、デザインなどがこれにあたります。
機能
銀行が提供する中核的な金融サービスです。預金、融資、為替、投資信託、保険、各種サービス(ATM、ネットバンキング、アプリ)などが含まれ、これらが顧客の資産管理のニーズに応えます。
品質
サービスの信頼性と安心感を担保する要素です。サービスの質、セキュリティ、システムの安定性、金利、そして手数料の透明性が、顧客の銀行への信頼度を左右します。
デザイン
顧客の利用体験とブランドイメージを演出します。店舗デザイン、ATMデザイン、ウェブサイト、そしてアプリのUI/UX(操作性)などが、サービスの使いやすさと親しみやすさを高めます。
ブランド
銀行の持つ歴史と信用力を表します。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などの個別のブランド名が、その銀行の信頼性や提供する価値を象徴しています。
価格
サービス利用の対価です。金利、手数料、そして各種サービス料金が、顧客が負担するコストとなります。
提供チャネル
サービスが顧客に届く場所であり、利便性に直結します。店舗、ATM、ネットバンキング、アプリ、電話などが、多様な接点を提供しています。
カスタマイズ
顧客個人の資産状況や目標に合わせた柔軟な提案です。ポートフォリオ提案、資産運用アドバイス、ライフプラン相談などが、個別のニーズに合わせた最適な資産管理を可能にします。
3. 付随機能: 製品に付加される「サービスと特典」
最後に、サービス体験をさらに高め、中核価値の達成をサポートする「付随機能(拡大製品)」です。
保証・サポート
顧客資産の安全性と安心感を提供します。預金保険制度、不正利用補償、紛失・盗難時の対応、そして各種相談窓口などが、顧客の信頼を支えます。
情報提供
資産管理に関する知識と、サービスの利用を促進するための情報です。金融商品情報、キャンペーン情報、セミナー、そしてマーケット情報などが含まれます。
関連サービス
メインの金融機能を超えて、顧客の生活全般をサポートするサービスです。クレジット・デビットカード、電子マネー、ポイントサービス、投資信託、保険、相続相談などが、顧客の金融生活を包括的にサポートします。
パートナー
提供する金融サービスの幅を広げる外部リソースです。証券会社、保険会社、不動産会社、その他の金融機関などが、連携によって顧客の多様な金融ニーズに応えます。
まとめ
銀行サービスは、プロダクト3層モデルで分解することで、単なる「お金の保管」という機能に留まらず、強固な品質とセキュリティ、多様な金融機能、そして専門的なアドバイスや保証といった付加サービスによって、「安全・便利に資産を管理したい」というトータルな金融価値を提供していることが明確になります。
この多層的な価値と信頼性が、銀行が社会の経済活動において不可欠な存在である理由となっています。
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