【タクシー事業で見つけた】一般常識の逆を突く新・ビジネスモデルの正体
- 2016.05.02
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新しいビジネスモデルを考えるとき、まず「他社とは違うもの」を考えるところからスタートします。
いわゆる「差別化」ですね。
このとき、最も大切なポイントをお忘れなく。
それは「お客さん」です。
単純に他社と違うことをやっても意味はありません。
お客さんにとって意味のある「差別化」でなければビジネスとして成立しません。
ではどのように差別化すればいいのか。
今日ご紹介したいのは、一般常識の逆を突くというもの。
ビジネスモデルを考え出す、基本パターンの一つです。
我々は、知らないうちにこれはこういうものだという、目に見えない「常識」や思い込みにとらわれています。
もちろん、こうした常識や思い込み自体が良くないものということではありません。
めまぐるしく私達の周りを飛び交う大量の情報をいちいち本質から捉えていては身が持たないからです。
しかし、新しいビジネスを考えるときには、この常識や思い込みは「敵」です。
発想に制限がかかってしまうから、です。
では、この一般常識の逆を見事についたビジネスを一つご紹介しましょう。
ゆっくり走るタクシー
それは、横浜を中心に東京など7拠点でタクシー事業を展開する「三和交通」のタートルタクシーです。
「タートルタクシー」
http://turtle-taxi.tumblr.com/about
一見、普通のタクシーですが、このタクシーには他にはない特殊なものが設置されています。
それが「ゆっくりボタン」。
「お腹に子どもがいるから、安全で丁寧に走ってほしい」
「体調が悪いから、あまり揺れないようにしてほしい」
必ずしも急いでいるときだけタクシーを利用するとは限りません。
バスや電車などの公共交通機関では混んでいて落ち着けない。
病院に行きたいが、とても電車に乗り継いでいられない。
こんなときもありますよね。
でも、「急いでませんので、ゆっくり走って欲しい」と、運転手さんに伝えづらい。
そこで生まれたのがこのボタンです。
「ボタンを押すと、いつもより、ゆっくり丁寧な運転を開始します」
と書かれています。
タートル、つまり亀のようにゆっくり走る。
タクシー=急いで目的地に向かうための乗り物というイメージが私たちにはあります。
寝過ごして約束に遅れそう、電車が止まってしまった、救急車を待っている余裕がない。
こんなときに呼ぶのがタクシーだとそう思い込んでいるからです。
お客さんには様々なシチュエーションがあります。
タクシーだけに限りません。
お客さんは様々なサービスや商品を利用するとき、そのお客さんならではの状況があります。
例えば、美容室。
キレイになりたいと思っている人もいれば、とにかく早く済ませてほしいと思っている人もいます。
美容室=オシャレにキレイに髪を整えてくれるところ
というイメージは提供者側の思い込みにすぎない、ということです。価格もそうです。
とにかく安いほうがいいだろう、というのも思い込みです。
世の中には、多少お金がかかってもよいサービスを受けたいという人がいるのです。こうした人に1種類しかないサービスを提供してもたぶん振り向いてくれません。その人用に1段上のサービスを用意しておく。
そんな発想が必要です。
思い込みから逃れるには、商品やサービスの機能や性質から考えないこと。これが正解です。
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