サイズを小さくするビジネスモデル
- 2016.10.12
- 事例集
ビジネスは大きいほうが良いと考えがちですが、実はそうとも限りません。顧客ニーズが多様化しすぎ、すべてをカバーできない今、広げるよるも絞り込むほうが確実なのです。
例えば、飲食店の世界では、一昔前であれば、総花的な居酒屋やファミレスが活況でした。分厚いメニューがあって、和洋中なんでもあるみたいな。しかし、今そうした総合的なスタイルは厳しい状況に陥っています。
そうした中で出てきたのが、サイズを小さくしたビジネスモデル。飲食業界で見事な成果を出している事例をご紹介しましょう。
サイズを小さくする
和食惣菜で有名な「えん」が展開する
「だし茶漬け えん」
http://dashichazuke-en.com/
店名の通り、提供されるのはだし茶漬け。
掲げるコンセプトは「和食屋の高級ファーストフード」。
確かにお茶漬けは、ハンバーガーや牛丼と同じく、さっと食べることができますね。
特徴は2つ。
まず、店舗が小さいこと。
大きさは街中で見かけるような昔からある喫茶店ほどです。スタバなどのコーヒーチェーンのように大規模ではなく、こじんまりしています。
もう1つが、メニューが少ないこと。
10種類ほどのだし茶漬けしかありません。
なんでもあるほうがいいのでは?と思われるかもしれませんが、この数年で駅前を中心に14店舗まで拡大しており、なおも出店が続きそうな勢いです。
なぜ、成果が出るのか
さきほど挙げた特徴にその答えがあります。
店舗が小さいことによって、
・出店がしやすい
→ 店舗用の空き不動産が探しやすい
→ 所有面積が小さいので、家賃が安く済む
・人の確保がしやすい
→ 店舗スペースが小さいことで、配置する人数も少なく済む
また、メニューが少ないことによって、
・オペレーションミスが減る
・原価を抑える
などのメリットがあります。
さらに、「だし茶漬け えん」の場合、お店では調理せず、調理済みの具材を中央でまとめて作って、それを各店舗へ配送する「セントラル・キッチン」方式を取っています。実際、注文してからテーブルに配膳されるまで5分も待ちません。
「食券機」を設置されており、注文受付にまつわる手間とレジの運用も省き、オペレーションの時短も実現しています。
店舗が小さく、セントラル・キッチン方式や食券機の設置などによる省力化によって、一般的な居酒屋などではできない高い回転率を生み出しているのが成功の秘訣でしょう。
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