【コロナ不況】セーフティーネットで資金調達する場合の重要な注意点
- 2020.04.10
- コラム
不動産証券化業、住宅メーカー、人材派遣業、システム開発業などで計12年間金庫番をやっていました。その経験に基づいたコロナ騒動のセーフティーネットに関する真面目な意見です。
セーフティーネットの申し込み済ませたという話がちらほら出てきているので、今回、重要な注意点をご紹介することにしました。
セーフティーネットはあくまで「借入」
今回、セーフティーネットを使って資金調達できたとしても、会計上はあくまで「借入」です。結果、調達金額次第では「債務超過」に陥る可能性があります。
この場合、騒動が収まったあと、追加の資金調達が必要になった際、「借りることができない恐れ」があります。
そんな馬鹿なと思われるかもしれません。
しかし、残念ながら、銀行は「プロセス」を評価しません。
あくまで、調達時の「財務状態」のみで判断するからです。
また、今回セーフティーネットで資金を引っ張った時点で、いわゆる「要注意先」「要管理先」に下げられる恐れが十分にあります。
「貸付の承認」が降りなければ廃業を検討する必要がありますが、一方で、「借りたことでB/Sが毀損=債務超過」になる場合も、財務状態次第では廃業を視野に入れ検討したほうが良いでしょう。
廃業をすすめるわけではありません
無責任に廃業しろ!と言いたいわけではありません。
廃業(清算)を念頭に、調達した資金をすべて本業に投下することは、できれば止めておいてほしいのです。
では、どうすればいいのか。
「仮想的に振り分けて」おくことをお勧めします。
例えば、5000万円調達できた。
であるなら、そのうち6割を本業用に、残り4割をストックにして「別事業(新規事業)」用に振り分けて欲しいのです。
なぜ、こんなことをいうのか。
理由は2つ。1つは上述のとおり、セーフティーネットは「借金」であるということ。つまり、「紐付き」のお金です。
2つめは、2〜3ヶ月で済まない恐れがあること。
7日に出された緊急事態宣言ですが、そのエンド、つまり収束宣言の前提条件は、収束=ワクチンによって、毎年発生するインフルエンザと同レベルになることが定義とも言われています。となると、残念ながら1年から1年半先になるリスクも十分にあります。
結果、長期化すれば、日次あたりの返済額(返済額の日割分)>売上になった場合、もしくは月次の営業利益<金利となってしまう恐れもあるのです。
参考記事)インタレスト・カバレッジ・レシオ
※https://oneinvest.jp/interest-coverage-ratio/
調達できたらから安心するのではなく、長期化するリスクと借りたことによる財務基盤の毀損を念頭に、「事業レバレッジ」を検討しておくことを強くお勧めします。
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今回の一件で、事業継続(BCP)に強い不安を抱えている場合、ぜひこちらからお問い合わせください。
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※ご相談は初回無料です。
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