【V字回復の秘密】ドムドムバーガー絶好調の理由をマーケティングと会計から読み解く戦略

日本最古のハンバーガーチェーンとして知られるドムドムバーガーが、近年、目覚ましいV字回復を遂げ、絶好調を続けているのをご存知でしょうか?
一時は「絶滅危惧種」とも言われたドムドムですが、その復活劇は、単なる懐かしさだけではありません。そこには、非常に緻密で、かつ人情味あふれる独自の戦略がありました。
本記事では、ドムドムバーガーの好調の秘密を、ビジネスの二大視点である「マーケティング」と「会計(財務)」から詳細に分析します。
1. マーケティング編:なぜドムドムは「バズる」のか?
ドムドムバーガーのマーケティング戦略の核にあるのは、社長が掲げる「思いやり経営」と「顧客志向」です。この戦略が、他のチェーンには真似できない独自のポジションを確立しています。
① 驚きと付加価値を生む「斬新メニュー」
ドムドムの最大の武器は、その「商品力」にあります。
「丸ごと!! カニバーガー」「丸ごと!!カレイバーガー」など常識を覆すユニークな期間限定メニューが次々と登場。
これらの商品は、単なる美味しさだけでなく、「驚き」と「ネタ消費」という付加価値を提供し、消費者に「写真を撮ってSNSでシェアしたい」と思わせる動機を与えます。
開発の裏側には、社員の自由な意見や熱量を重視する風土があり、これが斬新なアイデアを生み出す土壌となっています。
② SNSとコラボで実現する「集客の最大化」
SNSの活用は、ドムドムの復活に不可欠でした。
低コストでの話題創出
ユニークな商品がSNSで自然に拡散されることで、多額の広告宣伝費をかけずに高い集客効果を得ています。
「どむぞうくん」グッズ戦略
マスコットキャラクターのグッズ展開は、単なる商品販売に留まりません。グッズ購入者がSNSで発信することで、ブランドの親しみやすさを高め、新規顧客を店舗へ誘導する役割も果たしています。
異業種コラボ
他企業やイベントとのコラボレーションは、それぞれのファン層を相互に取り込み、話題性を絶やさない「燃料」となっています。
③ 顧客とブランドを「共創」する
ドムドムは「お客様・スタッフの人生に寄り添い、共感・共存することでブランドを育む」というコンセプトを掲げています。これは、企業からの一方的な情報発信ではなく、顧客との対話を通じてブランド価値を高める「共創型マーケティング」の成功事例と言えます。
2. 会計(財務)編:安定した収益構造の秘密
飲食店の好調は売上だけでなく、いかに収益性を確保し、安定した経営基盤を作るかにかかっています。ドムドムの好調は、戦略的な財務改善によって支えられています。
① 高利益率事業による収益基盤の強化
ドムドムの財務構造を安定させている最大の要因の一つは、「事業の多角化」です。
EC・ライセンス事業(グッズ販売)の拡充
飲食店は人件費や原材料費の変動リスクが大きいですが、グッズ販売などのEC事業は、人手をかけずに高い利益率を確保しやすい構造です。特に人気キャラクター「どむぞうくん」グッズが売上構成比で高い割合を占めていることは、高収益な事業が本業のハンバーガー事業を支えるという理想的な構造を示唆しています。
② 店舗の「選択と集中」による効率化
最盛期から店舗数を大きく減らした経験は、結果として「筋肉質な経営体質」を生み出しました。
損益分岐点の低下
不採算店舗を整理し、1店舗あたりの経営力を高めたことで、固定費の負担が軽減し、収益を上げやすい構造に変化しています。
資本効率の良いFC展開
今後の成長戦略として、FC(フランチャイズ)本部を立ち上げています。これにより、自社で多額の投資をすることなく、加盟店からのロイヤリティ収入という安定収益源を確保し、財務体質をさらに強化できます。
まとめ:成功は「人への思い」と「戦略的な挑戦」の相乗効果
ドムドムバーガーのV字回復は、「懐かしさ」というブームだけで終わらない、持続可能なビジネスモデルに基づいています。
- マーケティング
斬新な商品とSNS戦略で話題性と集客力を向上させる。 - 会計(財務)
高利益率のEC・ライセンス事業と、効率化された店舗運営で収益基盤を強化する。
この成功は、「人への思いやり」という普遍的な経営理念をベースに、「固定概念に捉われない挑戦」という具体的な行動が結びついた結果と言えるでしょう。
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