【発想の技術】“買わない人”をターゲットにするとチャンスが広がる

【発想の技術】“買わない人”をターゲットにするとチャンスが広がる

個人的な話ですが、生まれてこのかた、一度もディズニーランドに行ったことがありません。
「ディズニー最高!」の人からすれば、信じられないかもしれません。

高いから?
いえ、1000円になったとしても行きません。
招待券をもらったら、誰かにあげると思います。

ですが、そんな私であっても、ディズニーではない“どこか”には出かけています。
そんな人にフォーカスを当ててみるというのが、今回の発想の切り口です。

ターゲット=買ってくれる人は競合と被る

ターゲット=“買ってくれる人“。
つまり、ディズニーに行きたいと思っている人です。

これが普通のビジネスです。
例えば、あなたがWEB製作会社を経営しているなら、

「集客できるWEBサイトを作りたい」

と考えている人ですね。
ただ、競合他社も同じことを考えています。
このターゲットのまま進めば、厳しい競争は避けられません。

値段を下げる、メニューを見直す、オンラインで対応する。
差別化を図っても、早晩、競合も追いつきます。

発想の転換をしましょう。
だれもが考える“買ってくれる人“ではなく、“買わない人”をターゲットにしてみるのです。

買わない人”をターゲットにする

さきほど、あなたはWEBサイト製作会社を経営していると言いましたが、
ディズニーに行かない私のように、製作会社に頼まない人(企業)はいったいどうしているのでしょうか?

そもそも、サイトを作っていないんじゃないの?

それはさすがにないでしょう。
中小企業庁の統計では9割以上の企業がホームページを持っているそうです。

となると、「自力で作っている」。
少なくとも、3つの手段があります。

・WordPress、HTML、CSS、などを使って構築
・作成ツール(WIX、JIMDOなど)使って構築
・代替手段(ブログやインスタ、Xなど)を利用

この人たち(買わない人)にも、ニーズ(問題)が存在しています。

安定して、WEBサイトを“運用“したい

特に①。
WordPressで作ってみたが、ちょっとしたトラブルが起きる。
ホームページのことなんて気にせず、本業に集中したいのに・・・

このニーズに応えてみるのです。
WEBサイトの“製作”ではなく、“運用”を専門としたサービスです。

WEBサイトの製作という元のビジネスからは離れていますが、
少なくとも、製作のときの競合とは別の次元に立つことができています。

プロダクト3層モデルに当てはめてみる

ここまでの流れを、プロダクト3層モデルに当てはめてもう少し詳しく確認してみましょう。
まず、一般的なWEB製作会社のプロダクト3層モデルです。

ここから、コア=顧客ニーズを、運用にフォーカスした、①「安定したサイトの運用」に置き換えます。

顧客ニーズ(コア)を変えたことで、提供する機能をそれに合うにしなければなりません。
②「WEBサイトの運用サポート」です。

機能が製作から運用に変わったことで、価格(マネタイズ)を合わせる必要があります。
製作時のような課金体系ではビジネスが成り立ちません。

例えば、毎月定額でサポートをする。
ちょっとした不具合などに対処するサービスです。

メリットとデメリットが1つずつ。
メリットは、継続的な売上が見込めること。サポートですから、1ヶ月だけということはありません。

デメリットは、売上のボリュームが小さくなること。
製作であれば、数十万、数百万といった規模ですが、サポートでは見込めません。

また、自力で製作している人が対象なので、「できるだけ費用を抑えたい」と考えているはずです。
特に、何もトラブルがないときに、月額費用だけ発生するのは受け入れがたいものを感じるでしょう。

そこで、③のマネタイズを生命保険のような「積立式」にしてみるのはどうでしょう?

作業が発生しない月の利用料は、そのまま積立。
作業発生時に積立分で対応
するといった具合です。
「途中解約の防止」にもつながりやすい課金体系です。

買わないのではなく、“買えない”人にフォーカスする発想も

買わない人の中には、「買いたい(利用したい)のに買えない」人もいます。
こうした人にフォーカスしたのが、

Minoru/株式会社Minoru
https://minoru-inc.jp/

一定期間、家賃を払い続けると、その住宅が自分のものになるというもの。
住宅ローン審査が通らない人のための新しい住宅取得サービスです。

マイホームが欲しいけど、銀行の住宅ローン審査が通らない。
カーローンも同様に、審査に通らない人が増えている背景もあります。
大きなビジネスチャンスがあることは確かです。