新しい常識を創るビジネスモデル
- 2016.10.17
- 事例集
「これはこういうものだ。」
私たちは多かれ少なかれそうした「先入観」や「固定観念」、そして常識や慣習にとらわれています。
実は、この常識や慣習を打ち破ることこそ、新たなビジネスモデルを作る絶好のチャンスなのです。
そんな簡単に思いつかないと諦めないで下さい。
成熟している業界で見事に常識を破ったビジネスモデルをご紹介しましょう。
自己負担5万円で100人呼べる結婚式
「会費婚」
http://www.kaihikon.com/
なんと、自己負担5万円で結婚式が挙げられる新しいビジネスモデルです。
「5万円?少し前に流行っていた格安結婚のこと?」
いいえ。違います。
きちんとした結婚式です。それも100人も呼べるような。
いったい、どういう仕掛けになっているのでしょうか?
一般的な結婚式では、式前日までにホテルなどの会場側へ費用の全てを支払うのが普通です。100人も呼べば、ホテルなどの場合、安くても300〜400万円以上。高級車が変えるほどのお金です。結果、結婚式=お金がかかるという常識が頭をもたげ、結婚式そのものを挙げない人が増えてしまったのです。
会費婚が覆したのが、この常識。次のような仕組みになっているのです。
・結婚式の費用は後払い
・自己負担の5万円以外の費用はすべて出席者から「会費」して回収
・参加費の金額に応じた価格メニュー
一般的な結婚式では、事前に費用を払った後、出席者からの「お祝い」でその分を埋めます。(赤字もあるでしょう)お祝いでもらうものを定額にした「参加費」に置き換え、結婚式の費用にあてがったわけです。
なぜ、これがうまくいくのか
うまくいく理由は2つ。
1つは、結婚という絶対的な需要があること。結婚する人は減っても、結婚という文化、儀式そのものがなくなることはさすがにないでしょう。
そしてもう一つが、時代背景。
学費のために借りた奨学金の返済ができず、自己破産をする人が増えているというニュースが踊りました。デフレ経済が一層加速し、ますます世帯収入は減る一方。大学に行きたいけど、お金がない。
結婚式も同様です。人生に一度の結婚式くらいなんとかしたい。
その人間心理を汲みとって、費用は先に支払うものという常識を覆し、参加費は定額、費用は後払いと心理的な負担を減らした点です。
なお、「後払い」の仕組みには注意が必要です。
利用者側からすれば大きなメリットですが、運営側にとっては大きなリスクです。万が一の想定をし、余力の資金を確保しておくことが欠かせません。
- 前の記事
価格を均一化するビジネスモデル 2016.10.17
- 次の記事
新しいビジネスモデルのヒント_03 2016.10.17