「おひとりさま時代」の新・ビジネスモデル
- 2016.06.25
- 事例集
- ビジネスモデル事例集
デフレが進み、ますます景気が厳しくなる中、ビジネスの環境が大きく変化しています。そんな中、ぜひ目をつけて頂きたい一つが労働環境です。
労働環境が変わると、人々の生活スタイルや行動パターンが変わります。そこに「ビジネスチャンス」があるのです。
こうした変化に対して、見事なモデルで切り込んでいる事例をご紹介しましょう。
コンセプトは「おひとりさま」
本日ご紹介するのは、新たなカフェ。
スタバが依然好調、マクドナルドも裏メニューなどニュース性のある話題を打ち出す中、既存のスタイルとは一線を画すカフェです。
コンセプトは「おひとりさま」です。
3rd SEAT
http://3rd-seat.com/
「あれ、どこかで聞いたような・・・・」
そうです。
スタバが標榜する「3rd PLACE」を思い出されたかもしません。
このカフェが提供するのは、従来のカフェと大きく異なる「1人専用」の席。背の高さ分あるパーティションで区切られ、全席にオットマンが付き、180°のフルリクライニング、コンセントも付いてデスクワークも可能な豪華なチェアです。
飛行機のビジネスクラスやファーストクラスをイメージさせます。
豪華なイスだけではありません。3rd SEATは、
・食事の持ち込みが可能
・密閉された酸素ルームやカップルでの利用が可能な2シートルーム
といった従来のカフェとは完全に違う価値も提供しています。
肝心な料金は2時間パックで1,980円。(酸素ルームは1時間2,000円)ちょい飲みに行っても、これくらいはしますから、悪くない価格帯です。
この3rd SEATが生み出された背景にあるのは、多くの企業が導入する水曜日の「ノー残業デー」です。
定時になったら一斉に電気が落とされ、上司や部門長からとにかく帰れと促される。とはいえ、そのまま家に帰っても実は居場所がなく、できれば暫く外にいたい。
そういうサラリーマンの方が増えているそうです。
そうした悩みを抱えるサラリーマンの「疲れ」を癒やし、1人で過ごす場所を提供しているのです。
家でも、学校でも、仕事場でもない、第三の◯◯。
「知るカフェ」が提唱する「3rd CAMPUS」に続いて、まだまだ開拓の余地があるコンセプト・ワードです。
食事を出さない
このカフェは、食事メニューがなくコーヒーマシンやオーガニックティー、ジュース、炭酸飲料といった飲み物だけが提供されています。(フードに該当するのはシリアルとビスケット)
利益率の高い飲食メニューを出さないのはなぜ?と思われたかもしれません。食事メニューを出してしまうと、「人件費」がその分かかるため、です。
元々本業で飲食ビジネスを行っているのであればその転用も可能ですが、一からこうしたビジネスを進める場合、当初はできるかぎり「人手」のかからないオペレーションを組むほうがベストです。
キーワードを模倣する
「おひとりさま」、3rd ◯◯以外にも、まだまだ使えるワードは存在します。
こうしたキーワードを見つける方法があります。
書店です。
新刊書のタイトルをぜひ、チェックしてみてください。
使えるワードがかならず含まれているはずです。
とくに、「ビジネス書」。
1日に200タイトルもの新刊が出ていると言われています。
売れ行きを左右するのが、そのタイトル。
如何に時代を反映させるかしのぎを削っています。
ぜひ、こうした方法で「使える」キーワードを見つけだし、新しいビジネスモデルのコンセプトワードにして考えてみてください。差別化しやすく、かつ流行に乗れるモデルができるはずです。
- 前の記事
【パーソナル時代の儲けかた】ビジネスモデルとマネタイズの6つの方法 2016.06.16
- 次の記事
新しいビジネスモデルを90分で見つける 【垂直思考 2016.06.27