【発想の技術】プロダクト3層モデルを用いた新ビジネスの発想方法

【発想の技術】プロダクト3層モデルを用いた新ビジネスの発想方法

プロダクト3層モデル図鑑で利用しているフォーマットを使った「新しいビジネスの発想方法」を
ご紹介します。

実際に書き込む前に

フォーマットを2枚以上準備してください。
1枚は「競合用」、もう1枚は「自社のアイデア用」です。

以下のフォームを右クリックして保存して使用してください。

(著作権はフィナンシャル・ノートが保有しています。アイデア創出目的のみにご使用ください)

【手順概要】

手順は次の5つです。

1.1枚目のフォーマットに競合の3層モデルを作成する(比較用)
2.新しいフォーマットに、検討中のアイデアの顧客ニーズを中央の円に埋め込む
3.顧客ニーズを解決する「機能」「デザイン」を埋め込む
4.「機能」「デザイン」(=商品、サービス)の「価格」を決め、提供方法である「提供チャネル」を埋め込む
5.必要に応じて、残りのパーツを埋め込む

クリエイター向けブログで有名な「note」を題材に、順を追って説明します。

1.競合他社もしくは、一般的なビジネス形態を書き込む

フォーマット1枚目を用意したら、競合もしくは一般的なビジネスの3層モデルを記入します。
(自社のアイデアとの比較材料)
※わかる範囲で大丈夫です。

 

例)ブログサービス

2.コア=顧客ニーズを書き込む

2枚目のフォーマットを用意してください。
現在検討中のアイデアを書き込んでいきます

まず、中央部分のコア=顧客ニーズを埋め込みます。

1で記述した「競合」と被らないように、選びましょう。

例)note

狙うべきは、「サブニーズ」

例えば、ミネラルウォーター。メインニーズは、「喉の乾きを潤したい」、「健康を維持したい」ですが、このままでは競合と被ってしまいます。

そこで、ミネラルウォーターのサブニーズである「環境に配慮した商品を買いたい」を捉えたのが、日本コカ・コーラの「いろはす」です。

以下の一覧表を参考に、競合と被らない「サブニーズ」を考えてみましょう。

参考)主なメインニーズとサブニーズ

3.サブニーズに合わせた「機能」「デザイン」を埋める

コアが埋まれば、それに合わせた「機能」や「デザイン」を埋め込みます。

例)note

ここまで出来たら一旦立ち止まりましょう。

最初に書き込んだ「競合」の3層モデルと比較してください。

・競合と差別化できているでしょうか?
・自社のアイデアは、コア(ニーズ)と機能、デザインとの整合性が取れているでしょうか?

どうも被っているな、顧客から見たら同じに見えるかもしれない・・・

パターンは1つと限りません。

・別の顧客ニーズを選ぶ
・顧客ニーズをそのままに、「機能」、「デザイン」を変えてみる

何パターンも作ってみましょう。

【補足】品質とブランド

品質はあって当然のもののため、差別化の要因にはなりにくい性質を持っています。
また、ブランドは、アイデア出しの時点で検討する必要はなく、ビジネスが軌道に乗ることが明らかになって(=アイデアが正しい)から考えるもののため、この時点では検討の対象に入っていません。

4.「価格」「提供チャネル」を埋める

顧客ニーズ、機能、デザインと埋まったら、一番外側の円を埋め込んでいきます。
「価格」(マネタイズ)、「提供チャネル」です。
このビジネスを、いくらで、いつ、どこで提供するのか。

例)note

 

機能、デザイン(=商品、サービス)を鑑みて、無料で提供するのか、有料で提供するのか。
有料なら、いくらなのか。
提供するチャネルは何を使うのがベストなのか。
リアルなのか、オンラインなのか、アプリなのかなどを検討します。

【補足】財務計画

新しいビジネスを構築するにあたっては、ざっくりでもいいので、「資金繰り」と「必要な利益」を計算しておくことをオススメします

特に、「必要な利益」です。
ビジネスでは普通、売上ー原価ー費用=営業利益で計算しますが、これを逆に考えて、

・必要な利益=売上ー原価ー費用

で計算します。

※原価=外注費、仕入など売上に紐づくコスト
※費用=人件費、家賃などいわゆる「販管費」

「必要となる利益」を決めておいてから、その利益を生み出すためにいくら売上が必要なのかという捉え方です。

例えば、
必要な利益:30
かかる原価:50
かかる費用:40

だとすると、
必要な利益(30)=X(売上)ーかかる原価(50)ーかかる費用(40)
X=120

利益30を生み出すために必要な売上は120となります。

5.2~4までをできるだけ多く創る

残りの、「パートナー」「カスタマイズ」「関連サービス」「情報提供」「保証・サポート」は現時点で埋める必要はありません。

選出したアイデアをテストし、スモールスタートしたのち、「ビジネスとして機能する、軌道に乗る」ことが明らかになってから検討しても遅くはありません。(むしろ、ビジネスを動かしていきながら、調整する項目です)

まずは、2~4の手順で埋めた状態のものをできるだけ数多く作ることをおすすめします。
その上で、どれがアイデアとして適切かを選出してください。