アイデアは「論証」である
- 2024.10.29
- コラム
論証なるものを説明する際、もっぱらよく使われる、
・人間は必ず死ぬ(大前提)
・ソクラテスは人間である(小前提)
・ソクラテスは必ず死ぬ(結論)
という三段論法が有名だ。
前提の命題から推論によって結論を導き出す行為が「論証」である。
大前提は、一般的な事柄(人間について)であり、小前提は個別の事実(ソクラテスについて)がくる。また、大前提と小前提に共通の媒概念があり、論証を支えている。この場合は【人間】である。
論証には、4種類ある。
上述のように、AならBである、そしてAである、ゆえにBであるという「モードゥス・ボネンス」のほか、AならBである。しかしBではない、ゆえにAではないという「モードゥス・トレンス」、AかBのどちらかである。AならばCである。BならばCである。ゆえに、いずれにせよCであるという「構成的ディレンマ」、そして有名な背理法の4種類である。
優れたアイデアもこうした「論証形式」を持っている。
例えば、IKEA。
・多くの人は安い家具が欲しい
・IKEAには安い家具が揃っている
・(だから)IKEAの売上は伸びる。
他にはフレッシュネスバーガー。
・身体にいいハンバーガーを食べたい
・フレッシュネスバーガーは健康的な食材でハンバーガーを提供している
・(だから)フレッシュネスバーガーの売上が伸びる
一見、当たり前すぎるように思われたかもしれないが、意外と「論証」が十分ではないアイデアが多い。大前提と小前提から結論が導出できていないのだ。
例えば、
・YouTube動画が人気だ
・動画撮影用のビデオカメラをレンタルする
・(だから)レンタルの売上が伸びる
「動画が人気である」という大前提に対して、「ビデオカメラレンタルを提供する」という小前提から、「売上が増える」という結論を導出することには無理がある。スマホやタブレットでも十分賄えてしまうからだ。
三段論法は、大前提=ニーズ、小前提=解決策と読み替えるともっとわかりやすい。
ニーズに対して、提供する解決策から売上が伸びるという結論が導き出せるかどうか。
アイデアは「論証」である。
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