「具体と抽象」の往復で見つける、次世代ビジネスの種

「具体と抽象」の往復で見つける、次世代ビジネスの種

こんにちは!今日のブログでは、新しいビジネスアイデアを生み出すための思考法として、「具体と抽象」という切り口について掘り下げてみたいと思います。この2つの概念を意識的に行き来することで、これまで見過ごされてきたニーズや、思いもよらなかった革新的なサービスのヒントが見つかるかもしれません。

「具体」から始まるビジネスチャンス:日常に隠れた原石を見つける

私たちの身の回りには、数え切れないほどの「具体的な」モノやコト、そして日々の小さな「困った」「もっとこうだったらいいのに」という感情が存在します。これらは、新しいビジネスアイデアの宝庫と言えるでしょう。

例えば、

特定のニッチな悩み
「朝、満員電車で本を読むのが困難」「アレルギー対応で、かつ美味しいお菓子が少ない」「特定の趣味の道具を、もっと手軽にレンタルしたい」といった、一部の人が強く感じている具体的な不便さや要望。

既存商品の改善点
「このアプリ、ここが使いにくい」「このサービス、もっとこうなったら便利なのに」といった、すでに市場にあるものに対する具体的な不満や改善のアイデア。

これらの具体的な「点」に注目し、それを解決する商品やサービスを考えるのが、「具体」から発想するアプローチです。大切なのは、その「点」がいかに小さいと思えても、深く掘り下げていくことです。その先に、まだ誰も気づいていない、大きなビジネスチャンスが眠っている可能性があります。

「抽象」の視点で捉える未来:大きな流れからビジネスを構想する

一方、「抽象」とは、具体的な事象から本質を抜き出し、より大きな概念やパターンとして捉えることです。

社会全体のトレンド
「サステナビリティへの関心の高まり」「ウェルビーイング志向」「働き方の多様化」「AI技術の進化」といった、社会全体の大きな変化や価値観のシフト。

普遍的な人間の欲求
「認められたい」「繋がりたい」「成長したい」「安心したい」といった、時代や文化を超えて存在する人間の根源的な欲求。

これらの抽象的な「流れ」や「欲求」を捉え、そこから逆算して「では、具体的にどんなサービスや商品が必要とされるだろうか?」と考えるのが、「抽象」から発想するアプローチです。この視点を持つことで、個々の事象に振り回されることなく、より長期的で大きなインパクトを持つビジネスモデルを構想することができます。

「具体と抽象」の往復運動が生み出すイノベーション

本当に新しいビジネスアイデアを生み出すためには、この「具体」と「抽象」の視点を、まるで振り子のように行ったり来たりすることが重要です。

具体的な課題やニーズを発見する(具体→抽象)
日常の中で見つけた小さな「困った」や「あったらいいな」を深掘りし、その背景にある本質的な課題や、より多くの人に共通するニーズは何かを抽象化して考えます。「なぜ、この人は困っているのだろう?」「この不便さの根源は何だろう?」と問い続けることで、より普遍的な課題が見えてきます。

抽象的なトレンドや価値観から、具体的な解決策を考える(抽象→具体)
社会の大きな変化や新しい価値観を捉えた上で、「では、この変化に対応するために、具体的にどのような商品やサービスを提供できるだろうか?」「この価値観を満たすためには、どのような体験をデザインすれば良いだろうか?」と、具体的なアイデアに落とし込んでいきます。

抽象的な概念を、別の具体的な分野に応用する(抽象→具体)
ある分野で成功しているビジネスモデルや考え方の「本質」を抽出し、それを全く異なる分野の具体的な課題解決に応用できないかと考えます。例えば、「サブスクリプションモデル」という抽象的な概念を、飲食業界や教育業界など、様々な具体的な分野に適用するようなイメージです。

新しいビジネスアイデアを生み出すためのヒント

最後に、「具体と抽象」の思考を鍛え、新しいビジネスアイデアを生み出すためのヒントをいくつかご紹介します。

「なぜ?」を5回繰り返す
具体的な事象に対して「なぜそうなっているのか?」を繰り返し問い詰めることで、本質的な課題や原因が見えてきます。

異分野の情報をインプットする
自分の専門分野だけでなく、全く異なる分野のニュースやトレンド、書籍などに触れることで、新しい視点や発想のヒントが得られます。

アナロジー思考を取り入れる
「〇〇と△△は、本質的に似ているのではないか?」と、異なるものの間に共通点を見つけ出し、アイデアを飛躍させる思考法です。

常に変化を観察する
世の中の小さな変化や、人々の行動・価値観の変化に敏感になりましょう。そこに新しいニーズの芽が隠れています。

多様な人と対話する
自分とは異なるバックグラウンドや価値観を持つ人と積極的に対話することで、思いもよらない気づきやアイデアが生まれることがあります。

おわりに

「具体と抽象」という2つの視点は、ビジネスアイデアを発想する上で非常に強力なツールとなります。日々の生活の中で、あるいは社会の大きなうねりの中で、この2つのレンズを使い分け、意識的に行き来することで、あなただけのユニークなビジネスの種を見つけ出すことができるはずです。

ぜひ、今日から「具体と抽象」の思考を意識して、新しいアイデア探しを始めてみませんか?