新しいビジネスモデルを90分で見つける 【垂直思考
- 2016.06.27
- 発想法
- ビジネスモデル発想法
新しいビジネスモデルを生み出すときに使えるのがいわゆる「垂直思考」と呼ばれるものです。
この2つを駆使することで、今あるビジネスモデルをうまくチェンジさせ新しい利益コンセプトを考えだすことが容易にできます。
垂直思考とは?
垂直思考とは、「具体化」と「抽象化」を行き来することです。
ん?どういうこと
ちょっとわかりづらいですよね。
例として、「本」でご紹介しましょう。
本を具体化すると、例えば「村上春樹の小説」などになります。
さらに具体化すると、村上春樹のベストセラー「海辺のカフカ」です。具体的ですよね。
反対に「本」を抽象化すると、どうなるでしょう。
本は「紙」ですね。紙がまとまったもの。
具体化と抽象化を行き来すると、本は次のようになるのです。
紙 → 本 → 小説 → 村上春樹の小説 → 海辺のカフカ
他にも例を挙げてみましょう。
例えば、飲食店。
具体化すると、「イタリアンレストラン」。さらに具体化すると、
「恵比寿にあるイタリアンレストラン」、「◯◯氏のイタリアンレストラン」といった感じになります。
一方、抽象化すると、飲食店は「サービス業」です。
サービス業 → 飲食店 → イタリアンレストラン → 恵比寿のイタリアンレストラン → A氏プロデュースのイタリアンレストラン
この具体化と抽象化を行ったりきたりしながら、考えるのが垂直思考です。垂直思考は、2つの違うものの共通点と相違点を見出すことができます。
簡単な例で行きましょう。
例えば、カフェと航空会社。
一見すると機能も値段も関係する法律もすべて違うビジネスです。
例えば、この2つを「抽象化」するとどうなるでしょう?
カフェは、コーヒーやスイーツを提供する場所。
一方の航空会社も食事を出しますよね。
つまり、この2つは「食事を出す」という点では共通していることがわかります。
ビジネスモデルに当てはめる
さて、肝心なことはここからです。
カフェと航空会社の共通点が、「食事を提供すること」というのがわかりました。
ここで、カフェでやっていることを機内でできないだろうか?
と考えてみるのです。
例えば、少し値段のするスイーツを出す。スターバックスのフラペチーノのような。もちろんこれだけではないでしょう。
抽象化して、共通点を見出したら、今度は「具体化」して実際にどんな商品やサービスに落とし込めるかを考えてみるのです。
違う業界に共通点を見出す
飲食店とタクシー。
この2つにある共通点があります。
なんだかわかりますか?
そう、「運ぶ」です。
飲食店では店内で食事を運び、タクシーは人を運びます。
一見、違うビジネスに見えて「運ぶ」という点では共通しているのです。
とはいえ、違いもあります。
飲食店は店舗の中、タクシーは外です。
ここでおやっ?と思った方もいますよね。
そう、飲食業にも「外に運ぶ」ものがありますよね。
そうです。「宅配」ですね。
車やバイクを使って、食事を「外」に運ぶ。タクシー同様、公共機関のように途中は止まらず、目的地までストレートに行きますね。
抽象化して、「運ぶ」という共通点を見つけたら、今度は、具体化して、何を運ぶのか、どう運ぶのかを変化させてみる。そうすることで、すでにあるビジネスの共通要素を使った新しいビジネスを発見することができます。
ぜひ、日頃から何かのサービスや商品を目にしたとき、「これを抽象化するとどうなるだろう?」と考えてみてください。意外なビジネスとの共通点を見つけられるかもしれません。
共通点が見つかれば、別のモノと置き換えて違うモノにできないか考えてみる。この2ステップを踏むだけで、新たなビジネスモデルを見つけることができます。
ぜひ、やってみてください。
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