b8taの撤退から学ぶ、失敗しないための3つの教訓

b8taの撤退から学ぶ、失敗しないための3つの教訓

「b8ta」という名前を耳にしたことはありますか?

かつて、新しい小売の形として注目を集め、渋谷や新宿に店舗を構えていた体験型ストアです。しかし、残念ながら2025年9月をもって日本事業から完全に撤退しました。

彼らが挑戦した「RaaS(Retail as a Service)」というビジネスモデルは、多くの人にとって革新的に映りました。なぜ、これほどまでに期待されたビジネスが、日本市場から姿を消してしまったのでしょうか。

今回は、b8taの事例から、これから新しいビジネスを立ち上げようとしているあなたに、必ず知っておいてほしい3つの教訓をお伝えします。

b8taのビジネスモデルとは?

まず、b8taのビジネスモデルを簡単に説明します。

一般的な小売店は、商品を仕入れて、それを消費者に売ることで利益を得ます。しかし、b8taは違いました。彼らの主な収益源は「出展企業からの月額利用料」です。

自社の新製品やガジェットを実店舗で展示したい企業は、b8taに月々の利用料を支払うことで、人通りの多い立地で商品を展示し、来店客の反応をデータとして得ることができました。

商品を売るのではなく、「店舗という場所と、データという価値」を提供する。まさに、小売をサービス化した、画期的なビジネスモデルだったのです。

b8taの撤退から学ぶ、3つの教訓

この革新的なビジネスモデルがなぜ失敗してしまったのか。その原因を分析すると、これから事業を始めるあなたが気をつけるべき重要なポイントが見えてきます。

教訓1:収益の源泉が一本化されていないか?

b8taの収益は、出展企業からの月額利用料に大きく依存していました。これは、裏を返せば、「出展企業が減れば、そのまま収益が激減する」という脆弱な構造だったと言えます。

新しいビジネスを考える際、「誰に、どんな価値を提供し、どうやってお金を稼ぐか」を明確にすることは非常に重要です。しかし、その収益モデルが特定の顧客やサービスに極度に依存していないか、客観的に見直してみてください。

リスクを分散させるためには、複数の収益源を持つことが不可欠です。

例えば、

  • 物販(商品そのものを販売する)
  • コンサルティング(ノウハウを提供する)
  • 広告(Webサイトやアプリのスペースを販売する)

など、あなたのビジネスの強みを活かした多様なマネタイズ方法を模索しましょう。

教訓2:外部環境の変化に対応できるか?

b8taが日本に進出した後、世界は新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われました。

実店舗での体験を強みとしていた彼らにとって、来店客の減少はまさに致命傷でした。店舗は固定費(家賃、人件費など)が発生し続けるため、収益が落ち込むほど経営を圧迫します。

ビジネスは、常に外部環境の変化に晒されます。

  • 景気の変動
  • 自然災害や疫病の発生
  • 技術の進歩
  • 競合の出現

こうした予測不能な事態に備え、事前にリスクヘッジの戦略を立てておくことが大切です。例えば、オンラインでのサービス提供や、サブスクリプションモデルの導入など、店舗に依存しない収益モデルを組み合わせることも検討してみてください。

教訓3:あなたのビジネスの「本当の価値」は何か?

b8taは、出展企業に「実店舗でのデータ」を提供することを価値としていました。しかし、この「データ」という価値は、オンラインでも取得可能です。

彼らのコアバリューは、「実際に消費者が商品を手に取り、その場で反応を確かめられる」という体験そのものにあったはずです。

しかし、その価値を顧客(出展企業)に十分に感じてもらうことができていたでしょうか?競合が増える中で、b8taにしか提供できない独自の価値を明確に打ち出し続けることが、難しくなっていたのかもしれません。

あなたのビジネスが提供する「本当の価値」は、競合にはない、唯一無二のものである必要があります。

  • 顧客の感情を動かす体験
  • 他社には真似できない専門知識
  • 圧倒的なスピードや利便性

これらを突き詰め、顧客が「あなたからしか買いたくない」と思うようなポジションを築くことが、長期的な成功には不可欠です。

まとめ

b8taの撤退は、新しいビジネスモデルに挑戦することの難しさを私たちに教えてくれました。

しかし、これは決して無駄な失敗ではありません。彼らが築いたビジネスモデルから得られる教訓は、これから挑戦しようとしているあなたにとって、大きな学びとなるはずです。

1. 複数の収益源を持つこと
2. 外部環境の変化に柔軟に対応できること
3. あなたのビジネスの「本当の価値」を明確にすること

この3つの教訓を心に留め、あなたの挑戦を成功に導いてください。