スズキのカレーがバカ売れする理由|ヒット商品に学ぶビジネス成功の3つの秘訣

自動車メーカーのスズキが販売するレトルトカレーが、今、密かに話題になっています。発売からわずか数日で5,000食以上を売り上げるなど、その売れ行きは好調です。
「なぜ自動車メーカーがカレーを?」と不思議に思う方も多いでしょう。しかし、このカレーの成功には、新しいビジネスを考えている人にとって非常に重要なヒントが隠されています。今回は、その成功の秘訣を3つのポイントに分けて解説します。
1. 眠っている「資産」を再定義する
多くの企業は、既存の事業やリソースを「当たり前」のものとして見過ごしがちです。しかし、スズキは「社員食堂のメニュー」という、本来はコストとして扱われるはずの資産に光を当てました。
スズキはインドでの事業が非常に大きく、多くのインド人社員が日本で働いています。彼らのために30年以上も前から、社員食堂では本格的なインドベジタリアン料理が提供されてきました。この「社員の福利厚生」という社内リソースを「商品」へと再定義したことが、成功の第一歩です。
あなたの会社や事業には、当たり前だと思っていたけれど、実は市場で価値を持つかもしれない「眠っている資産」はありませんか?過去のプロジェクト、社員のユニークなスキル、社内文化、誰もが知る有名人とのつながりなど、見方を変えるだけで、新たなビジネスチャンスが見えてくるかもしれません。
2. 「なぜ?」に答えるストーリーを語る
ただ「スズキのカレー」と宣伝するだけでは、一過性の話題で終わってしまいます。このカレーが人々の心を掴んだのは、その背景にある深いストーリーです。
信頼性の証
「インド出身の社員が『母の味』と認めたレシピ」というエピソードは、品質に対する絶対的な信頼感を生み出します。
企業文化の表現
インド人社員の食生活にまで配慮する、グローバル企業としての姿勢が伝わります。これは、スズキのブランドイメージをさらに向上させました。
ファンの心をくすぐる仕掛け
パッケージデザインは、スズキのデザイン部門が手がけており、「ジムニー」や「スイフト」といった人気車種が描かれています。これは、既存のスズキファンにとってたまらないサプライズです。
ストーリーは、単なる商品説明を超えて、顧客との感情的なつながりを築きます。あなたのビジネスにも、なぜそれを作ったのか、どんな想いが込められているのか、というストーリーを加えてみましょう。
3. 「ニッチ」に焦点を絞る
スズキのカレーは、「誰にでも売れる」を目指していません。ターゲットは明確に絞られています。
スズキのファン
自動車メーカーが作ったユニークなグッズとして、ブランドへの愛着を持つ層が購入します。
食の専門家やマニア
本格的なインドベジタリアン料理という、ニッチでこだわりの強い市場にアプローチしています。
すべての人に響く商品は、結局誰にも響かないことが多いです。特定の顧客グループに深く刺さる商品やサービスを作ることで、その熱狂的なファンが口コミで広げてくれるという好循環が生まれます。
スズキのカレーは、味もさることながら、その背後にあるストーリーや戦略がヒットの大きな要因でした。新しいビジネスを始める際は、「自社にしかないユニークな強みは何か?」「その強みにどんなストーリーを乗せられるか?」という問いから始めてみましょう。
スズキの事例は、成功のヒントが意外な場所にあることを教えてくれます。
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