「引き算」の発想でヒットは生まれる!なぜ今、〇〇がない商品が売れるのか?

私たちは何かを新しくするとき、つい「足し算」で考えてしまいがちです。「もっと機能を」「もっと便利に」と、どんどん付け加えていく。しかし、本当に画期的な商品やサービスは、あえて「何かをなくす」という「引き算」の発想から生まれることがあります。
この「引き算思考」は、単なるコスト削減ではありません。ユーザーの「不便さ」や「煩わしさ」を根本から解消し、全く新しい価値を生み出すためのパワフルな考え方なのです。
今回は、私たちの身の回りにある「ない」ことで成功した3つの事例を見ていきましょう。
1. ストローのない牛乳パック
日本の学校給食で、ストローがついていない牛乳パックが増えているのをご存知でしょうか。
- なくしたもの: プラスチック製のストロー
環境問題への意識が高まる中、毎日大量に消費されるストローは大きな課題でした。この「ストローをなくす」という決断は、単にプラスチックごみを減らすだけでなく、ユーザーに「環境への配慮」という新しい価値を提供しました。また、ストローをゴミとして分別する手間もなくなりました。
ストローは本当に必要だったのでしょうか?この問いかけから、より良い商品が生まれたのです。
2. ホースとマットのない布団乾燥機
布団乾燥機といえば、布団を広げて、ホースを差し込み、マットを敷いて…という面倒な作業がつきものでした。そんな常識を覆したのが、ホースとマットをなくした新しいタイプの布団乾燥機です。
- なくしたもの: 煩わしいホースと乾燥マット
ホースやマットをなくすことで、布団乾燥は驚くほど手軽になりました。本体を布団の間に挟み込むだけでセット完了。使い終わったらサッと片付けられます。「手間」という最大の障害がなくなったことで、利用頻度は劇的に上がり、多くの家庭で使われるようになりました。
3. リモコンのないスマートスピーカー
音楽やテレビを操作するには、必ずリモコンが必要でした。しかし、スマートスピーカーは、その常識を打ち破りました。
- なくしたもの: 物理的なリモコン
リモコンをなくす代わりに、「音声」という新しいインターフェースを採用したのです。これにより、キッチンで料理をしながら、リビングでくつろぎながら、部屋を移動しながらでも、声だけで音楽を再生したり、ニュースを聞いたりできるようになりました。リモコンを探す手間もなくなり、誰でも簡単に使えるようになったことが、スマートスピーカーを家庭の中心的なデバイスに押し上げました。
なぜ「引き算」が成功するのか?
これらの事例に共通するのは、単に機能を減らしたわけではないということです。
本質的な価値を際立たせる
余計な機能や部品をなくすことで、その商品が本来提供すべき「最も重要な価値」が明確になりました。布団乾燥機であれば「手軽に布団を温めること」、スマートスピーカーであれば「情報に素早くアクセスすること」です。
ユーザーの課題を解決する
「ない」ことで、ユーザーが潜在的に感じていた「面倒くさい」「煩わしい」といった課題を根本から解決しています。
「引き算」は、シンプルさを追求することで、その商品やサービスの本質を浮かび上がらせ、新しい顧客体験を生み出すための強力な思考法なのです。
まとめ:あなたの身近な「足し算」を見直してみよう
あなたの身の回りにある商品やサービスにも、ついつい足し算されてしまった「余計なもの」があるかもしれません。
「この機能は本当に必要だろうか?」「もしこれをなくしたら、もっと良くなるのではないか?」
そう自問自答してみることで、次なるイノベーションのヒントが見つかるかもしれません。
あなたなら、何をなくして、新しい価値を生み出しますか?
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