複合型ビジネスモデル ✕ 新しいお弁当
- 2017.09.14
- 事例集
ここでご紹介しているビジネスモデルの多くは、特定のパーツ(例えば定額制など)をメインに組み立てられています。
もちろん、それはそれで有効ですが、競合他社が多い、参入障壁が低い市場の場合、安心はできません。
どうすれば良いのでしょうかー
ここで登場するのが「複合型」です。ショッピングセンターか!思われるかもしれませんが、意味的には同じです。
それは優れたビジネスモデルの要素=パーツを複数個取り込んでしまうこと。狙いは競合との距離を取るほか、新規参入を削ぎ落とすことなどです。
まさに、と呼べるような事例をご紹介しましょう。
かゆいところに手が届いたお弁当システム
「オフィスおかん」
https://office.okan.jp/service/
その名も株式会社おかんが展開するオフィス向けのお弁当です。
そういうのはすでにあるだろう、と思うことなかれ。
もちろん、企業向けの弁当ビジネスは結構あります。
注目すべきは、何が違うのか、です。
オフィスおかんが提供するサービスの特徴点は3つ。
1つめは「オフィスグリコ」のお弁当版であること。予め設置された専用ボックスに、惣菜やご飯、ドリンクなどが毎月定期的に供給。社員は別に置かれた「料金BOX」にお金を入れて利用します。
2つめが「24時間」食べられること。
社員はまさにいつでも自由に食べることができます。
最後が、「月額定額」の課金方式。なんと初期費用が0円の上、お弁当1個あたりが300円!
設置する側の企業にとって有り難いポイントです。
こうした特徴などが功を奏して、様々な有名企業への導入や連日メディアで取り上げられるなど見事な成果を出しています。
なぜ、うまくいくのか
3点考えられます。
1点目は、冒頭でお話した通りです。
様々なビジネスモデルで利用し、十分実践的な検証が済んでいるパーツを複合的に取り込んでいること。
2点目は「お弁当」という商品の性質。
一度契約し、入ってしまえば、よほど内容が良くない限り、契約終了とはならないでしょう。
3つめが、「低コスト」であること。
そもそもが低価格ですが、それ以上にいわゆる「社員食堂」と比べても圧倒的に安いのがポイントです。
それは他の弁当サービスでも同じだろうと考えることなかれ。
ランチだけで費用の比較をすれば、今どきは軽トラックなどでワンコインのお弁当が普通に売りに来られていますから、そこではさほどの差は生まれません。
しかし、ランチタイムを超え、特に残業時間となるとその本領を発揮します。
ワンコインで済ませられるものって何があるでしょう?
コンビニ&イートイン、マクドナルドのようなファーストフード、吉野家、富士そばなどがざっと思いつきますが、いかんせん、選択肢が少ない。いくら富士そばがうまくて安いと言えども、残業の度に、となるとさすがに辛いでしょう。
一方、ファミレスなどへ出かければ今度は1,000円、2,000円で済まなくなります。
ランチタイムのように遅い時間でも安く済ませることができる。
こうした「グレーゾーン」を見事に突いているのも成功要因の1つなのです。
単純に足し算するわけではない
単純に「いいとこ取り」すればうまくいくわけではない、というのはお気づきの通りです。
そうです。
追加の「相乗効果」が生まれなくては意味がないのです。1+1=4ぐらいになるような。
ご紹介した事例も、24時間&オフィスグリコの要素を持つことによって、単なる「お弁当」の枠を超え、成功へとつながっています。
ぜひ、既存で成功している様々なビジネスモデルの「パーツ」をいくつか組みあせてみてください。トンデモない莫大な利益を掴むことができるかもしれません。
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