利益を左右!新しいビジネスモデルの【5つのフロー】とは?

NO IMAGE

新しいビジネスモデルは、果たして機能するのか。
これを検証するための補助ツールをご紹介します。

 


5フロー図5flow-01

5フロー図は、【業務】【コスト】【売上】【タイム(時間)】【キャッシュ】の5つのフローから構成されます。ビジネスモデルを構成するオペレーションとコスト、そして時間のバランスなどが取れるのかを確認するツールです。

早速ですが、駅前のそば屋さんを例に<5フロー図>の使いかたをご紹介しましょう。

【業務フロー】

立ち食いそば屋さんの業務フローは、ざっくり次の5つです。

・材料を仕入れる
・下ごしらえをする
・食券機で食券を購入したお客さんからの注文を受け付ける
・注文されたメニューを作る
・後片付け

この5つのステップをそのまま順番に記入していきます。

5flow-02

【タイムフロー】

材料の手配、仕込み、調理、お客さんが食べ終わって帰ったあとの片付けなどの時間を記載します。一見するとなぜこの項目があるのか不思議に思われたかもしれません。
結論からいいますと、業務かかる時間はこのあと出て来る【固定費】の増減に直接影響するからです。

例えば、人を2人雇っていたとしましょう。ところが、オペレーション全体でかかる時間は1.5人分だとすると、0.5人分の固定費=人件費は無駄です。

もちろん、繁忙期、閑散期(1日の時間帯も含めて)がありますので、ピッタリの人員体制とはいかないでしょう。しかし、こうして予めビジネスモデルによって発生するオペレーションの全体時間を把握しておくことで、後々改善するポイントなどを見出すことができます。

5flow-03

【コストフロー】

ここからが肝心なところです。業務フローに漏れはないでしょうか?

埋め込んだ業務フローのステップごとにコストが発生しますよね。

これをそれぞれに記入していきます。
このとき、コストを2つに分けて記入して下さい。

【変動費】と【固定費】です。

変動費とは

売上や生産に連動する費用です。
売上高にあわせて一緒に増減するのでこの名がついています。業種・業態によって対象が違いますが、概ね次のものがあります。

・原材料
・外注費
・商品仕入原価
・販促費
・営業に支払う歩合給など

※準変動費

例えば水道料金のように、まったく使わなくても一定の基本料金がかかり、使用量に合わせて費用が上乗せされる変動費です。

固定費とは

売上高や生産量の増減に関係なく発生する費用です。
人件費、家賃、保険料、減価償却費、機械のリース料などが当てはまります。
家賃のようにずっと一定ではなく、一定の操業を越えると費用が増加するような固定費もあります。

例えば、1日の操業を8時間、月20万円で一人雇っていたとします。操業が2倍の16時間になると、もう1人雇わなければなりません。

結果、人件費は¥400,000。更に時間が増えればその分人件費が増加します。
このような固定費を準固定費といいます。

立ち食いそば屋さんの場合、
変動費は、そばの材料費です。そば玉や油揚げ、天ぷら粉などでしょう。一方の固定費は、

・人件費
・家賃
・水道光熱費など

があります。固定費は、どの業務フローにも関係なく、発生しますので、横串で記入します。

さて、立ち食いそば屋さんでの変動費と固定費にはどんなものがあるのでしょう。

まず、変動費から。そばの材料だけですよね。
業務フローでいう、【材料を仕入れる】部分です。製麺所から仕入れる代金です。※チェーン店であっても同じですね。本部から仕入れることになります。

残りのコストは、すべて固定費ですね。アルバイトとして雇っている人の人件費、テナントの家賃、そして開店している間中発生する水道光熱費が固定費になります。
これらを記入しておきます。

5flow-04

【売上フロー】

コストと来れば、そう売上ですね。
売上が、業務フローのどこで発生するのか。これを記入します。

立ち食いそば屋さんの場合、お客さんが食券機で食券を購入した際です。これ以外にはありません。ファストフードの種類によっては、口頭で追加注文を受け付けている場合もあります。

5flow-05

【キャッシュ・フロー】

 

売上フロー、つまり収入とコストフロー、つまり支出をそれぞれ記載し、収益面で問題がないか確認します。
もし、想定していた以上に良くないのであれば、こちらの記事を参考にして、変動損益を計算してみてください。

5flow-06

記入後

一度記入してみて、「これは話にならん」と思っても気にしないでください。

実は、記入後からがスタートなのです。
多少利益が見込める場合でも、マイナスであってもその状態からどのように変えることができるか、これを検討するための土台がこのフロー図の存在意義です。

例えば、業務全体にどうにも時間がかかり過ぎている。
であれば、業務フローの一部をどこか外部にアウトソーシングできないかを検討してみる。もしくは、提供メニューを減らしてみる。人員を増やす。業務の一部を機械化する。などの「置き換え」を繰り返し検討してみてください。

正解はありません。

予定している計画値にどうすれば近づけるか、この1点です。また、実際にサービスインしてみてからまた状況は変わるでしょう。

予定以上に時間がかかる、繁忙期と閑散期のタイミングが違うといったことが起きるはずです。ぜひ、いろいろと試しながら、最適なビジネスモデルのフローを確定させて下さい。