アイデア発想の大敵【思考のワナ】の避け方
- 2019.12.11
- コラム
アイデア発想の大敵。それがこの「思考のワナ」です。
時間をかけ、必死の思いで考え出したアイデア。
それがどうも「ピン」とこない出来になっている。
もしくは、これだと思って進めていった結果、どうにもうまくいかない。よくよく見直してみると、「思い込み」が潜んでいたりする。
きっとこのような経験があると思います。
なぜ、こうしたことが起きてしまうのか。
その最大の原因、それこそが「思考のワナ」なのです。
思考のワナとは何か
思考のワナとは、自分が考えていたものとは違う結果を導きだしてしまうものです。例えば、日常よくありがちなケースでは、「カサを忘れる」。
天気予報を見て、雨が降ることを知っていたのに、傘を持っていくのを忘れてしまう。1度や2度ではないと思います。
一言でいえば、「スッポ抜けていた」。
雨に濡れるぐらいなら、まだマシです。
問題は、ビジネスの場面。
顧客のリクエストを違う解釈をして、大きなミスを招いてしまう。
話をきちんとメモし、ヒアリングしていたはずにも関わらず、まるで違うものを提示してしまう。もしくは、肝心なポイントが抜けてしまう。
本人としては、それで「合っている」と思っています。
まさに、これが思考のワナなのです。
思考のワナにはどのような種類があるのか
メジャーなものとして、次の6つがあります。
1)飛躍する
考えを飛ばしてしまう。
正解らしき情報を見つけたときによく起こります。
ネットで検索すると、これだと思える情報を見つけた。
その瞬間、自分で考えていたことを置き去りにして、その情報ありきで
考えてしまうようになるケースです。
例えば、新しい技術が出てきたとき。
比較的最近なら、AIとかRPAとかがそれでした。
AIを使えばなんとかなるんじゃないか。そう考えてしまうわけです。
2)固執する
これが正しいと思い込んでしまう。
残念ながら、人間である以上、どうしても陥りがちです。
特に、人は自分が経験したことにとても引きづられます。
中でも成功体験がは特に厄介です。
よく年配の方で、ありがちな「俺の時代はこうだった」っていう
あれです。
似たような問題が、社内で起きた。
自分ならこの解決方法を知っている。経験している。
だから、これに違いない。
一旦、正解だと決めてしまったものを覆すのは大変です。
なぜなら、そこには「感情的な負担」がまとわりつくからです。
自分の答え=自分の経験や知識を否定しなければならない。
かなりストレスがかかります。
3)考えすぎる
知識や情報を集めすぎてしまうこととも似ています。
あれこれ考えてしまい過ぎて、ポイントが絞れなくなり、結果、ごちゃごちゃした内容になってしまう。
とくにネットで調べていると、他にもっといい情報があるんじゃないかと、どんどん深みにハマってしまいますよね。いざ、まとめようと試みるとワケがわからない。
4)妥協する
アイデアを考えるような、とにかく頭を使うことは本当に疲れます。
できれば、やりたくない。
有名な言葉で、「認知的不協和」という心理学用語がありますが、まさにそれです。
例えば、「お酒を控えたほうがいいと言われたが、今日はお祝いだ。今日ぐらいいいだろう」といったことですね。
他にも、
・ここまで考えたんだから、いいだろう。
・○○さんが言っているんだから、それが正解だろう。
・テレビで言ってたから、そうに違いない。
などなど、わたしたちのとても身近なところにこのワナは潜んでいます。
5)過小評価する
自分で考えたことを否定的に捉えてしまう。
特に知見の少ない分野であれば、どうしてもそう思いがちです。
こうは考えてみたんだけど、どうせうまくいくはずがない。
その結果、実行をためらったり、違う案で進めてしまう。
これもよくあるケースです。
6)自分でなんとかしようとする
自分では何も考えずに、とにかく人に頼るのもの問題ですが、自分だけでなんとかしようとするのも、ときに危険ですよね。
自分で考えられる範囲には「限界」があります。
得意・不得意もある。
また、自分の問題の場合、どうしても「主観的」になってしまい、別の視点が手に入りづらい。良かれと思ってやったことが、実は自分勝手だと取られてしまう。
もちろん、基本は自力ですが、特にアイデア発想のような「多面的な視点」が求められる作業の場合、やはり第三者の目は重要です。
思考のワナの抜け方
ご紹介したような思考のワナを避け、正解にたどり着くにはどうすればいいのでしょうか?その解決方法が2つあります。
1)問いを立てる
2)前提を確認する
3)言語化する
1)問いを立てる
・なぜ、こうなっているのか
・なぜ、それをやるのか
・なぜ、この費用がかかるのか
思考のワナに陥りやすいのは、問題や自分の行動・考えをそのまま受け入れてしまっていることが原因です。
問いを立てることで、その問題はそもそもどのようなものなのか、自分の考えていることはどういうものなのか。それらを立ち止まって捉えることができます。
言い換えると、「客観的に」見ることができるのです。
でも、どうやって問いを立てればいいのか。
オススメは、「5W1H」。
Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)です。
・なぜ、○○さんがこれをやるのか(Who)
・なぜ、このタイミングなのか(When)
・なぜ、ここでやるのか(Where)
・なぜ、これなのか(What)
・なぜ、これをやるのか(Why)
・なぜ、この方法でやるのか(How)
ほぼすべてのことに5W1Hは当てはまります。
ぜひ、問題を解決しようと、アイデアを出そうとする前に、一旦立ち止まり、
「問い」を立ててみましょう。
2)前提を確認する
意見や考え、物事には必ず「前提」があります。
例えば、天気予報。だれも天気予報の結果を疑う人はいないでしょう。
なぜ、疑わないのか。今日は雨が降ると言っているが、本当は晴れるかもしれないのに。にもかかわらず、わたしたちはテレビやネットの天気予報をそのまま信用しています。それは気象庁が発表しているから、です。
国の機関である気象庁が発表している。
だから、信用するわけです。
これと同じように、さまざまな問題にも必ず「前提」があります。
例えば、子どもの教育費について、費用が高すぎるので別のところに変えたい。別の塾に行かせるべきかどうかといったとき、「費用」なのかそれとも「塾の質」なのか。
これを確認せず、とにかく「安いところ」を探そうとすると、さきほどの思考のワナに陥る可能性があります。この前提をあばくためにもさきほどの5W1Hは有効です。
3)言語化する
これが一番のオススメの方法です。
とにかく、事細かく言語化する。
不用意なワナや失敗を避ける最高の方法だと断言します。
言語化するとはどういうことなのか。
一言でいえば、あらゆることを「言葉に置き換える」です。
例えば、どこへ出かけるとします。
過去に一度でも行った場所なら、いちいち考えて行動しませんよね。
もう身体が覚えているかもしれません。
でも、そこをあえて「言語化」してみるのです。
家を○時に出る。○○行きのバスに乗る。駅に着いて、北改札口から入る。○○行きの電車の○両目の一番端の席に座る・・・・・
お気づきだと思いますが、「実況中継」です。
これをぜひやってみてください。
ビジネスにおける問題解決なら、まずその問題を言語化するのです。
A社という製造業の本社において、○○という問題が2年前から起きている。本社の○○部では・・・・
とまるでニュースでも読み上げるように、「できる限り細分化」して言語化するのです。
こうすることで、ヌケ・モレがなくなるほか、客観的にその問題を捉えることができます。
自分で考えたアイデアも同様です。
一度、どういうものなのか、「言語化」してみるのです。
できれば、ワードなどに書き記してみるとベストです。
さらに客観性が増します。
思考のワナはアイデアの大敵
残念なことですが、ビジネスの失敗のうち、かなりの割合でこの「思考のワナ」が悪さをしているケースがあります。
自分としては、これだ!と思っていたら、単なる思い込みだった。
本当によくあります。
ご紹介した、
・問いを立てる
・前提を確認する
・言語化する
という方法によって、「漠然とした状態」をできるだけ排除しましょう。確実に利益獲得への道につながります。
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