100円型ビジネスモデル✕高齢化社会
- 2017.08.14
- 事例集
100円。これほどわかりやすい価格はありませんよね。
ただわかりやすいだけではなく、この価格にはまだ2つの利点があります。これを活かしたビジネスモデルと共にご紹介しましょう。
■100円という価格の強み
まず1つめは、その「安さという直接的なイメージ」です。ワンコイン=500円をキーワードにしたビジネスモデルと同様に、とにかく見れば「おっ、これは安い!」となる。
そして2つめが、「計算のしやすさ」です。100円ショップが1つのカテゴリーとして定着した最大の理由とも言えます。
100円であれば、3つ購入すれば、300円。だれでも簡単に計算することができます。
単に安いだけでは人はなかなか動きません。安いものならいくらでも存在するからです。100円というワードは、「安さ」「わかりやすさ」そして、「計算しやすさ」。この3つの性能を持ち合わせており、ビジネスモデルの中に組み込む要素としては抜群です。
■100円でできる社会貢献
「御用聞き」
http://www.goyo-kiki.com/
株式会社御用聞きが提供するその名も「御用聞き」。
メインは家事代行で、5分100円で提供するサービスです。
その中身は、電球の取り替えやウォーターサーバーの付け替え、電池交換や宛名書きといった日常のちょっとしたこと。
そんなこと自分でできるだろうと思うことなかれ。
歳とともに足腰が弱ってきた高齢者にとって、椅子の上に乗って電球の交換をすることはかなり大変なことです。(正直、それほど歳をとっていなくても、椅子にのって電球交換は怖いはず。そんな滅多にやりませんから)
5分100円以外にも大掃除の手伝いやトイレやお風呂の掃除といった5分300円のサービスも。
いずれにせよ、とにかく頼みやすい価格になっており、たくさんのメディアに取り上げられ、大きな反響を呼んでいるビジネスモデルです。
■このモデルが成功する理由
いわゆる一般的な家事代行に頼もうとすれば、どうなるでしょう。
1回で安くても数千円。頼む内容によっては、数万円するのが一般的です。また、大掃除の手伝いといった本当にちょっとしたことだけを切り出して頼むことはできません。
収入が年金しかない高齢者にとって、一部の人を除いてこうした金額はとてつもなく大きな負担です。しょっちゅう頼むことはできないでしょう。
そこで登場したのがこのサービスです。ハウスクリーニングのような「丸ごと」サービスではなく、「部分的」なものを提供する代わりに価格を安く設定する。
これが成功につながっている秘訣です。
■価格を単純に下げない
こうした既存サービスから「一部」を切り出して成功しているケースは他にも沢山あります。
このモデルの強みは、「単純な値下げ」ではないこと。
ご紹介した事例も5分で100円ですから、これを単純に時給換算すると100✕12で1,200円。5分300円のものなら、3,600円。
もちろん、これでも安いと思いますが、だいぶ一般的な価格に近づいたはずです。
そうです。あくまで切り出しただけであって、価格そのものを無理に下げているわけではない、というのがミソ
なのです。
100円モデルはこの他にもまだ転用されていないカテゴリーが必ずあるはずです。ぜひ、応用してみて下さい。
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