CtoCの新たなビジネスモデル
- 2017.08.16
- 事例集
個人間でのやりとりが当たり前となった今、先頭を走るメルカリが絶好調です。一方で、リサイクルの雄だったブックオフは、元気がありません。
いらなくなったものをやりとりする。この流れの中にもはや「中間機能」のポジションは厳しいのでしょうか?
■新しいCtoC
「Cansell」
https://cansell.jp/
Cansell株式会社が提供する宿泊予約の権利売買サービスです。
少々難しく聞こえるかもしれませんが、ようは、予約していたのに行けなくなったホテルや旅館の「予約」を誰かに売ることができる、というサービスです。
夏休みなどせっかく取ったホテルの予約。
楽しみにしていたのに、直前で仕事が入ってしまい、泣く泣くキャンセルしたという経験、だれしも一度はあるはずです。
そんなときに、予めキャンセルせざるを得ないことがわかっているなら、このWEBサービスにアップしておくと、別の行きたい人がそれを買い取ってくれるという全く新しい買取のしくみなのです。
■なぜ、成功するのか
昨年ローンチされたばかりのサービスですが、早くも様々なメディアに取り上げられ、出だしはかなり好調のようです。
このサービスの仕組みの強みは、3つ。
1つめは、「ローコスト」であること。WEBでほぼ全てのフローが完了しますから、いわずもがなですよね。
そして2つめが、「絶えない需要」。
これはどんなビジネスにも共通することですが、旅行というテーマは普遍的なニーズを持っています。どれだけ技術が発展しようと、まず無くなることは有りえません(どこでもドアが発明されない限り)。
最後は、これも重要です。
「大手企業が参入しないこと」。テーマを見る限り、大手が大きなコストや資本を投入してなだれ込んでくるような代物ではありませんし、それだけのパイもありません。しかし、だからこそ狙い目で、「取ったもの勝ち」なのです。
■メイン需要に隠れたニーズを探せ!
旅行、ホテルの予約というビッグキーワードに隠れたニーズ。それがご紹介したキャンセル予定の予約です。
主役であるホテルや旅館、その他旅行全般については、もはや大手が乱立していて入り込む余地はどこにもありません。
需要の大きさでいえば、当然そちらを狙うべきですが、忘れてはいけないのが、旅行業の「利幅」の小ささです。
旅行ビジネスは「回転率」が命です。回してナンボなのです。つまり、そのままでいけば資本力が強いところが有利なのです。
そうした過当競争の戦場を避け、その周辺にある
付帯的なニーズを探してみる。トンデモない利益を獲得することは難しいかもしれませんが、一度確保してしまえば、永続的にビジネスを展開するだけのボリュームがあります。
ぜひ、メイン需要の周りを探してみてください。
きっとまだ手付かずの小さいけれど普遍的なニーズが隠れているはずです。
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