匿名組合で17億円調達【ベタだが本当に大切な】事業計画書作成の3つのポイント

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事業計画書を作成する際、ついあれもこれもと書きたくなります。
どんな資料でもそうですが、大切なのは相手に伝わることです。
資料の正確性や網羅性ではありません。

極端な話、2,3ページしかなくても相手に趣旨が伝われば、その計画書は100
点です。
では、相手に伝えるためにはどう書けばいいのでしょうか?

 

ぜひとも、押さえておきたいポイントがあります。
それが次の3つです。

1)細部を描く
2)文章に気を配る
3)クライマックスは相手に応じて変える

これらのポイントを反映するだけで、資料はより読みやすく伝わりやすくなります。
では、順番にご紹介しましょう。

1.細部を描く

例えば、事業計画の中の「人員体制」。
どのような組織でこのビジネスを支えるのか。
参加するメンバーの詳細な経歴や、このプロジェクトに関する経験などを記載す
るでしょう。
ここで履歴書の自己紹介のように端的に書くのではなく、一部分でいいので「詳
細に」描きます。

メンバーの教育を担当した。
単に研修を行った、で終わらせるのではなく、どのような内容の研修をしたのか、
どのような成果につながったのか、どのような思いでそのプランを実行したのか。
エピソードを交え具体的に書くのです。

すべての項目を細かく書く必要はありません。 ここぞという箇所で十分です。
些細が描かれていると、「信ぴょう性」が増します。

ドラマや映画と同じです。
観客にぜひとも焼き付けてほしい、ストーリー上ここは重要なのだとアピールできます。

反対にすべてが抽象的では、本当なのかと疑われます。

例えば、

「売上が右肩上がりで120%の成長をする」

とてもアバウトです。
本当にできるのかと思われても仕方がありません。
かといってすべてが具体的に細かく書かれていては、読み手が疲れます。
売上の例で言えば、細かい数式を永遠と連ねるような感じです。
見るだけでイヤになります。

大切なのは、緩急をつけ「ヤマ場」をつくること。
読み手に持ってほしい印象を与えられます。 先ほどの人事の例であれば、どうい
う思いを持って取り組んだのかなど、感性面も交えて詳しく書くと、イメージし
てもらいやすく共感されやすくなります。

ここぞ、と思うところを詳細に描いてみる。
全体のストーリーにさほど影響しないところは簡略化する。
事業計画の信ぴょう性が一気に増すはずです。

2.文章に気を配る

事業計画書でよくやってしまいがちなのが、聞き慣れないカタカナ用語の羅列な
ど、専門的な言葉のオンパレードです。
読み手は、必ずしもその業界や世界観に詳しいわけではありません。

もちろん、理解力のある人を前提に提案するのですが、それでも極力わかりやす
い表現をおすすめします。

人間は、理解できる=正しいと思う傾向があります。

反対に理解できない=重要ではない、もしくは正しくない、と捉えてしまいがちです。

読みやすい文章は、それだけで評価が上がりやすいのです。
内容が変わらないのであれば、ぜひともわかりやすい文章を心がけるほうが得策です。

では、どうすれば文章が読みやすいものになるのでしょうか。
ぜひチェックしていただきたい7つをご紹介します。

2-1.読みやすい文章にする7つのポイント

読みやすい文章には次のような特徴があります。

2−1−1.接続詞の使いかたが適切である

接続詞は、前の段落と次の段落を結ぶものです。
接続詞次第で読みやすさに大きな差が出ます。

A)今日はいい天気だ。だが、天気予報によると夕方から雨らしい。
B)今日はいい天気だ。そして、天気予報によると夕方から雨らしい。

いかがでしょう。Bはちょっと読みにくいはずです。
「そして」ときたら、話の続きがくるものだと人間は無意識に思ってしまうから
です。
よもや前の段落を否定するとは思っていません。
「そして」と続くなら、

今日はいい天気だ。そして、明日もいい天気らしい。

「いい天気が明日も続く」わけですね。
この流れならしっくりきますよね。接続詞がきちんと使われていると、読み手は
次に何が来るのかが簡単に予想でき、 とても読みやすくなるのです。
ひと通り文章を書き上げたら、まず接続詞の使い方がおかしくないかをチェック
してみてください。

2−1−2.同じ言葉、表現を同一段落内で繰り返さない

読み手に「またか!」感じさせてしまい、結果読みづらさを覚えさせます。
例えば、

今日はいい天気だった。
天気予報では、いい天気だと言ってたが、その通りいい天気だった。

かなり鬱陶しいですよね。

今日は、予報どおりいい天気だった。

これで十分です。
どうしても同じ言葉を使う必要があるときは、できるだけ別のものに置き換えま
しょう。

2−1−3. クセになっている表現を減らす

一つ前のポイントに似ていますが、長い文章を書いているとついクセで同じ表現
を繰り返し使ってしまうときがあります。
よくあるものとして、

「可能性」
「場合」
「〜こと」
「〜という」

などです。
ワードには語彙検索機能があります。
一通り打ち終わったらぜひ、検索をかけてみてください。
(右上の検索ボックスに入力すると対象の文字が黄色で反転します)

2−1−4.語尾が統一されている

文章力に関するノウハウでは、かならず登場してくるポイントです。
「です・ます、である」など語尾を統一するだけで、読みやすくなります。
また、同じ語尾を何度も繰り返さないのも大切です。
さきほどの「同じ言葉」と同じです。

2−1−5.受動態が少ない

よくあるのが、「○○だと思われる」です。
受け身で、意欲のない印象を与えます。

A この事業は2年後にはこの水準までに達すると思われる
B この事業は2年後にこの水準に達する

いかがでしょう?
Bのほうが明らかに「自信」を感じるはずです。
根拠も弱いのに言い切って大丈夫なのか、と思われるかもしれませんが、 少し強
めで言い切ったほうが相手に安心感を与えます。

成功率が100%ではないのは、読み手も十分承知しています。
だからこそ、どれだけ自信があるのかが大切なのです。

2−1−6.指示語が少ない

代表的な指示語は、「これは」「それは」です。
まったくゼロにはできないのですが、極力減らしましょう。
減らし方は簡単です。
その指している言葉に置き換えるだけです。

例)
固定資産は、工場を含め2億円ほどになる。
この数値は・・・ → 固定資産の数値は

2−1—7.最後のチェック

書いた文章が相手にとって読みやすいかどうかチェックする方法があります。
それは「音読」です。とても簡単にでき、かつ効果的な方法です。
音読によって誤字脱字を確認できるほか、ニュアンスやコンテクストをチェック
できます。
上記の5つと合わせて、ぜひやってみてください。
格段に読みやすく、理解されやすい文章になるはずです。

3.クライマックスは相手に応じて変える

プレゼンする相手がだれなのか。
銀行、投資家、出資をお願いする企業、パートナーにしたい人などいろいろです。
それぞれの立場ごとに、求めているものは違います。

3−1.銀行

どうやって返済原資を生み出すのか。
事業計画書では、この点が強く描かれているかが大切です。
返済原資の大元は、「営業利益」です。営業利益がきちんと出るのか、結果返済
までにどれくらいの期間が必要なのか、がポイントです。

3−2.投資家

配当や上場による収益です。
配当は銀行への返済と違い、当期未処分利益が原資になるため、割り当ては一番
最後です。
本業で生み出した営業利益は、返済を行い、支払利息や税金を支払った残りが配
当金の原資になります。

売上計画や収益構造はそこまで考慮されているのか。
十分な利益率を確保できるのか。こうした点が欠かせません。

3−3.事業に参加を検討しているパートナー

自分が参加する価値は何なのか。
参加者のビジネス経験にどのようなプラスをもたらすのか。
もし、今何か別の仕事についている場合、転職してもらう必要もあります。
そのリスクをどう補えるのか。

事業計画の核となる部分は誰向けであっても同じですが、訴える趣旨が異なります。
ぜひ、この点を踏まえ、相手ごとに分けた事業計画書の準備をおすすめします。