色を変える【いまさら聞けない発想の超基本】
- 2024.03.22
- いまさら聞けない発想の超基本
たかが「色」とあなどるなかれ。
色を変えるだけで差別化が図れてしまうのです。
アメリカの心理学者であるアレクサンダー・シュワーバーが行った実験により、色が人々の心理的な状態やパフォーマンスに影響があることが明らかになっています。
あなたは、スーパーに行きました。
入り口付近でワゴンに山積みになった「赤い」何かを目にします。
すぐさまあなたはこう思うでしょう。
「りんご」だなと。
黄色なら「バナナ」だと思うでしょうし、緑色なら「キーウイ」と思うはず。
色だけで識別が可能なのですね。
くだもののような商品だけではありません。
例えば、高級ブランド。
オレンジ色:エルメス
白と黒のモノトーン:シャネル
赤:カルティエ
という具合に、色で企業の識別が可能です。
いわゆる「コーポレートカラー」と呼ばれるものです。
銀座の交差点で、オレンジ色の袋を持った女性を見た。
「エルメスで買い物したのか。いいなぁ」
とすかさず思うでしょう。
もちろん、展開されている商品群や高い接客によっても差別化されていますが、それ以前に、最初に目に入る「色」だけで差別化ができてしまっているわけです。
色を増やして差別化
MacBook、iPad、Apple Watchなど魅力的なガジェットを展開するアップル。
アップルが大きく世の中に知られるようになったのは、技術的な特徴だけではありません。
それまでのパソコンとは一線を画したカラフルな色の展開です。
パソコン=黒や白、グレー
といったどちらかといえば「地味」な印象がありました。
ピンクや赤、青といったハッとするような色遣いで、ユーザーを驚かせたのです。
今もこの戦略は続いていますね。
「新色が出ました!」とテレビCMでも展開するほど徹底しています。
まだまだ可能性はありそう
たくさんの色が展開されているものには、
・洋服
・車
・家具
・電化製品
・化粧品
といったものが思い浮かびますが、他のビジネスでも出来そうな気がしませんか?
とくに、これはこういう色だという「常識」にとらわれている商品はありませんか?
例えば、自分の著書で申し訳ありませんが、1冊目の書籍の表紙は「真っ黄色」にゴールドのエンボスが入ったデザインでした。
ビジネス書といえば、もっぱら「白」がベース。
そこへ黄色と金色。
書店で見かければ間違いなく「なんだ?」となりますよね。
(ビジネス書のコーナーに並ぶと明らかに異様でした)
でも、おかげさまで4万冊以上売れました。
ビジネス書=白という常識を破った効果は小さくないはずです。
まだまだ身の回りにもあるはずですよ!
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