完全な死に筋なのに、見事な成功を収めた書籍の正体
- 2024.04.30
- 事例集
突然ですが、今、「タピオカ屋」を開業しようと思いますか?
あの、あの、タピオカ屋です。
・・・・・
しますか?
原宿あたりにどーん、と。
・・・・・しませんよね。
絶対しない。
どれだけお金が余っていたとしてもしません。
むしろ、お金持っている人の方がやらないでしょう。
(身近に金融資産1億以上の富裕層の人が結構いますが、みなさん総じてお金に厳しい)
どう考えても無謀そのものですよね。
文字通り、お金をドブに捨てることと同じです。
そもそも肝心なお客さんが来ません。
ところが、この「今、タピオカ屋的な」タイミングで切り込み、成功している事例があります。
それも「本」。
本と聞いて、「えー、マジで。本自体ダメじゃん」と思われたでしょう。
その感覚こそ正常です。
自分も本を書いている端くれの1人ですから、出版業界の現状の厳しさは否定しません。紙の本は特に、です。
肝心な書店がどんどん減り続けていることはニュースにもなっています。
ところで、本でタイミング?と思われたかもしれません。
話を進める前に、少し補足を入れておきます。
本にもトレンドがある
実は、本、特に実用書やビジネス書にはしっかりとした「トレンド」があります。その「見せ方」に流行り廃りがあるのです。
例えば、「7つの○○」。
ありましたよね。
今、7つの○○という切り口で出す著者、出版社はまずいません。
まだまだ多くの人の記憶に残っているからです。
書店でその本を見かけたとき、7つの? ああ、7つの習慣的な、となるからです。おおよそ推測がつく本を誰も買おうとは思いません。
ですので、企画が通ることはまずない。
(そもそも企画会議に掛けてもらえないでしょう)
今、もし出すなら「本質を突く」切り口が正解です。
例えば、
きみのお金は誰のため/東洋経済新報社
https://x.gd/dvTHw
お金ってそもそも何のためにあるのかという本質的な問いがタイトルになっています。このタイトルを見た人は、「確かにそういえばそうだな」となるでしょう。
結果、売れています。
発売から半年も経たないうちに15万部を突破しています。
このように、本にも他の商品やサービスと同じように、流行り、トレンドがあるのです。
「お金に関する7つのポイント!」
なんていうタイトルを出しても絶対に売れないのは想像に難くないでしょう。どう考えても「タピオカ屋」です。
にもかかわらず、です。
にもかわらず、この流れを思いっきり無視した本が出てきました。
トンデモない組み合わせ
さきほどの7つのと同様に、今すっかり「廃れた」切り口があります。
◯◯大全です。
このトレンドを切り開いた「アウトプット大全」が出たのが、2018年。もう6年前。
その後、20万部以上売れた「独学大全」などをはじめ、雨後の竹の子のごとく刊行され、現在に至るからです。
今、書いていている本のタイトルの打ち合わせの際にも、遡上にのぼりました。でも、速攻で「これはない」となっています。
また、まとめ本か、となるのは目に見えているからです。
にもかかわらず、大全の切り口を打ち出し、成功している本が刊行されました。
人生が整うマウンティング大全/技術評論社
https://x.gd/xNbgF
です。
マウンティング✕大全
意表を突かれました。
よもやマウンティングをまとめてしまうとは。
これを書いている4月30日時点のアマゾン順位は、発売から2ヶ月たった現在でも2,500位。
もう、1,2回重版しているでしょう。
いやはや見事すぎるとしか言いようがありません。
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