Amazonの循環図を作る4つの手順
- 2019.12.11
- コラム
この図をご覧になったことありますか?
かのアマゾン創業者のジェフ・ペゾスがファミレスで仲間と書き出した図です。
アマゾンというビジネスの仕組みを描かれています。
ぱっと見ただけでも、見事にアマゾンの仕組みになっていることがわかりますよね。まさにビジネス=システムです。
システムのように「回る」ために必要な要素がきちんと描き出され、そして、回るために必要な要素がすべてつながっています。
とはいえ、いきなりこうした図を書けと言われても、厳しいですよね。
そこで、もう少しドリルダウンし、書き出しやすいものをご用意しました。
ぱっと見た感じ、どこから書けばいいのか迷いそうになりますが、大丈夫です。1つずつ順にご紹介していきます。
顧客体験
提供される商品やサービスによって、顧客がどんな体験できるのか、です。お客さんは、それにお金を支払います。
ポイントになるのは、商品やサービスそのものではなく商品やサービスによって提供されるもの、です。体験=感情と考えて差し支えありません。
たとえば、全品50%割引。
すると、「うわー、安く買えてラッキー!!」
安く手に入った喜びを体験することができます。
価格だけではありません。価格以外にも、
時間、ラグジュアリー、意外性といったものも当てはまります。
生み出された価値
ちょっと難しい言い方になりますが、ようはお客さんを喜ばせるもの、メリットを感じさせるものは何か、ということです。
例えば、ファミリーレストランなら、「豊富なメニュー」と「広い店舗」。特にロードサイドの店舗はとにかく広いですよね。
小さな子どもがいても連れて行くことができるし、座れる可能性も高い。大人が食べるものはもちろん、子供向けにお子様メニューも充実していますから、家族連れにとっては最高です。
この2つから、「便利」「使いやすい」という顧客体験が導かれます。
価値を生み出す機能
価値を生み出すための仕掛けです。
Amazonの場合、価値を提供する機能は、
「(販売者の協力によって)低価格で豊富な商品を提供」
です。その結果、
「安くてなんでも揃っている」
という価値を生み出しています。
例えば、人事研修向けにプレゼンテーション力を提供するなら、
「効果的なプレゼン資料の作成方法」→「受注率が120%アップする」
となります。
集積する情報
そのサービスを利用すればするほど、「積み上がる」情報です。
わかりやすい例でいけば、ポイントサービス。
顧客の利用頻度が増えることによって、「買い物履歴」が増えますよね。ポイントでなくても、POSデータだけでもこれが当てはまります。
こうした情報はAIなどを使って分析することで、より適切な提案が可能になります。アマゾンのレコメンデーション機能はまさにこれです。
とにかく情報を集めればいいのかというわけではありません。
その情報の積み上げた内容に意味があるかどうか、です。
商品やサービスなど提供するものによって左右されます。
冒頭でご紹介したアマゾンの場合、「トラフィック」でした。
つまり、お客さんが利用してくれればくれるほど、「情報量」が増えるわけです。
その結果、DB(データベース)が充実。
さらにそれによって、購入履歴などの精度が良くなって、レコメンデーション機能がアップ。それらのデータを販売者に提供することで、売上も顧客数も増えるというわけです。
つまり、
低価格/レコメンデーション機能 → 顧客体験(購入) → トラフィック増加
こういう流れができるわけです。
もちろん、増加するものは「トラフィック」とは限りません。
いまどきなら、インスタなどSNSの「いいね」や「フォロー」なども当てはまります。
あなたが、飲食店ビジネスを始めるなら、お客さんの来店も大切ですが、注文した料理の写真をインスタにアップしてもらうことも重要なのです。
お客さんが来る → 料理を楽しむ → インスタにあげてくれる → インスタを見た→ 新規顧客が来店する
つまり、インスタの写真が増えれば増えるほど、新規顧客の増加に繋がり、ひいては売上につながるほか、仕入れ先との関係にもつながるわけです。
セミナーなどのスキル提供型でも同様です。
研修を行う → アンケートを集める → 顧客の声としてWEBで紹介する → 新規案件につながる
アンケート以外では、「メルマガの登録」や「書籍の販売」といったことも考えられます。
そのままでは積み上がらない場合
例えば、家具などの耐久消費財。普通、一度買えば、数年間は買いませんよね。しょっちゅう家具屋さんに行くという人も少ないでしょう。
1度購入して、数年後改めて購入する際、前回の情報は果たして役に立つでしょうか?
こうした利用間隔の長い商品やサービスの場合、手の打ちようがないのかといえば、そうでもありません。
空いてしまうその時間を、別の方法で穴埋めすればよいのです。
昨今、さまざまな業種でカフェを開くケースが増えていますよね。
自動車や化粧品メーカーなど、カフェとはまるで分野が違う業種だったりします。
実は、これこそまさに「穴埋め」です。
日頃から接点を作り、集積性のある情報をつみあげておくのです。
さきほどの家具なら、新製品の発表会やイベントなどに無料で招待する。
自動車メーカーや化粧品メーカーと同じカフェもいいかもしれません。
コーヒーを有料で提供し、座り心地の良い自社製の椅子やテーブルを使ってもらい、体感する機会と、未来の顧客との接点を作っておくのです。他にも、一時流行った家族で、DIYといったイベントなどもアリです。
通常の動線とは別に、このような新しい流れを作り、そこで集積性のある情報を獲得する。
アマゾンのケースも、初期のモデルに、レコメンデーション機能や、プライム会員といった機能が追加され、さらに情報の集積性を高めていますから、いくらでもあとから付け足すことが可能です。
最大のポイントは「連動」して、1周すること
最終的に描くのは、ここまでご紹介した、4つの要素がつながった状態です。冒頭でご紹介したアマゾンの図がまさにそうでした。
もうお気づきだと思います。
各要素をつなげることによって、全体が循環、つまりビジネスモデル化しています。
アマゾンの場合、低価格/レコメンデーション/ロングテールから始まって、その結果、顧客数が増加することで、取引先から低価格で提供してもらえるという流れが出来上がっています。
ぜひ、これだというビジネスアイデアが浮かんだら、次はこの「循環図」を作ってみてください。最初は、足りない部分もあるかもしれませんが、順に穴埋めし、各要素がつながることで、確実に循環するようになり、結果、安定した利益を運んでくれるようになります。
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