顧客の気持ちを知る【心理会計】
- 2016.05.10
- 発想法
- ビジネスモデル発想法
【心理会計】。メンタルアカウンティングとも呼ばれます。
あまり馴染みのない言葉ですが、日頃私たち自身が感じている、もしくはとても影響されていることです。
ビジネスモデル設計する上で、絶対に欠かすことのできないポイントです。
心理会計とは何か
一言で言えば、損得感情に対して人はどう判断するかです。
自分にとってプラスの出来事、マイナスの出来事に対して、人がどう感じるか、です。
2つご紹介しましょう。
心理的抵抗
今、あなたに、何かのお礼に1万円をあげるとします。
嬉しいですよね。
ところが、そのあと100円追加であげると言われたらどうでしょうか?
正直なところ「まぁ、うれしいことはうれしいけど・・・・」
じゃないでしょうか。
くれる人の手前、1万円のときと同じようにうれしそうな態度を取る必要はありますけど。(これが大人の態度ですね)
しかし、心の中ではそれほどではない。
素直な気持ちです。
こうしたプラスの出来事だけではありません。
マイナスの出来事、例えば出費のようなときにも同じ感情が働きます。
電化製品を購入した際に、ついでに何か買った経験はありませんか?
例えば、新しくパソコンを買いに家電量販店に行った。
どのメーカーにしようかと散々悩んだ結果、購入した。金額は20万円。そのとき、店員から、「今、合わせてプリンターを購入していただくと25,000円を15,000円に値下げしますよ」と言われた。
へー、5,000円も安くなるの?
そう思いませんか?
よほどの自制心の強いか、そもそも20万円しかお金を持ちあわせていない限り、気持ちが引きこまれますよね。
20万円の買い物のあと、2万円台の話は小さく聞こえるのです。
これがDVDなどもっと金額の小さい商品だとなおさらでしょう。
人間は大きなプラスの出来事のあとに、小さなプラスがあっても
あまりうれしく感じません。
そして、まるまる反対に大きなマイナスのあとに、小さなマイナスが起きてもあまりマイナスに感じないのです。
比較
例えば、あなたはジュースを飲みたいと思った。
マンションの下にあるコンビニではそのジュースが130円。
200m離れた自販機では110円で売られているとします。
ここで、200mも歩くのか。面倒だな。20円だし、まぁ
下のコンビニでいいか、となるのが人間です。
200m歩くこと VS 20円割高
を比較したわけです。
もちろん、この条件だけなら、「なんとしても自販機に行く。
20円とはいえ、もったいない」と思う人も中にはいるでしょう。
しかし、「どしゃぶりの雨」が降っていたら?
それでも200m先まで傘をさして行きますか?
この条件が入ったとたん、20円の重みが軽くなり、200m歩くことの大変さが増すわけです。
大多数の人が下のコンビニで済まそうとするでしょう。
人は必ずこうした「比較」を無意識のうちに行なっています。
実在の例では
昨年ユニクロが値上げを行ったために大きくな客離れを起したニュースがありました。
高級ブランドで1万円値上げしても誰も何もいいませんが、
低価格が売りのユニクロで500円も上がれば、大多数のお客さんにとっては大問題です。
なぜか。それはそもそものマイナス(支出)が小さいから、です。取り扱われている商品は1000円〜2000円台が中心です。
これに対して2割上げたわけです。1,000円の商品だとしたら200円の値上げ。非常に目立ちますよね。
1000円払ったあとに200円。
極端な話かもしれませんが、20円ならこうはなりません。
先ほどの家電の例と同じです。
商品やサービスを購入することは、今の時代多くの人にとってメリットよりも負担感が先行します。
どのように提供すれば心理的な負担が減るのか。
ぜひこういった視点を含めてビジネスモデルを構築することをオススメします。
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