自動車ローンが通らない人が車を買えてしまう驚きの方法はとても単純だった。
- 2024.05.21
- 事例集
大手信販会社アプラスによると、自動車ローンの申し込みのうち、約50%が審査に落ちるそうだ。
理由は簡単だ。
申込者の所得に問題がある。
アプラスによると、この傾向は年々増加傾向にあるそうだ。
ガソリン価格が上がり、自動車税も上がる一方で、肝心な給与は上がらない。
社会保険料が増えたせいで、実質的に手取りが下がっている。
あの好決算のトヨタですらそうだというのだからどうしようもない。
また、バスや鉄道も廃線が増え続けている。
https://www.nhk.or.jp/minplus/0121/topic059.html
一体どうすればいいのか。
八方塞がりにも思えるこの状況に糸口を見出したビジネスがある。
保証人不要のローン
生活や仕事で車が不可欠。
しかし、支払い能力に問題があり、ローンの審査が通るとは思えない。
この問題を解決したのが、
オトロン/オトロンカーズ株式会社
https://corp.otoron.jp/
だ。
自己破産などの金融事故経験や、他社でローン審査を断られた人であっても申し込みが可能な自動車ローンを提供している。
方法は2つ。
1つは、オトロンカーズとの直接契約による分割払い。
アプラスのような信販会社を通さないので、審査基準もその分低い。
ただし、保証人は必要だ。
もう1つがMCCSを付ける方法だ。
MCCSとは、GlobalMobilityService社が出す「MCCS」と言われるGPS端末のことで、を車両に取り付け、未払いが発生した際にエンジン始動制御を遠隔でできるデバイスのことだ。この方法の場合、保証人もいらないという。
こうした2種類の方法による審査通過率はなんと95%。累計販売台数は23,000台にも及ぶ。
過去に自己破産のような金融事故をした人や、他社でローン審査が通らなかった人も通る可能性があるという。
このビジネスモデルの掛け算
このビジネスモデルは、
「サブプライム」✕「自動車ローン」
という掛け算でできている。
サブプライムとは信用力の低い層のことだ。
サブプライムと聞くと、まっさきに思い出されることがある。
米国の一件と、日本のスルガ銀行の一件だ。https://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%82%AC%E9%8A%80%E8%A1%8C%E4%B8%8D%E6%AD%A3%E8%9E%8D%E8%B3%87%E5%95%8F%E9%A1%8C-1999730
失敗の理由はそれぞれ異なるが、いずれにせよ、「回収リスク」を無視したことが大きい。
回収リスクは、ビジネスで一番忌むべきものだ。
売上を立てるのは簡単だが、回収して入金させることが一番重要であることは意外と忘れられている。
事例の場合、
・中古車(数十万円レベルの車が多い)
・保証人もしくはMCCS
という2つのリスクコントロールが効いている。
やみくもにサブプライム層に提供しているのではないのだ。
押さえておきたい「発生主義」と「現金主義」
上述した米国の一件とスルガ銀行の一件に通底する問題の1つが、この2つの会計上の概念にある。
「発生主義(accrual basis)」とは、売上にフォーカスする。
契約締結時に売上を計上する、品物を発送した時点で計上する。
最もポピュラーな会計処理の概念だ。
一方、「現金主義(cash basis)」は、回収にフォーカスする。
実際にお金が動いた時点で判断する。税金もこれだ。
いわゆる黒字倒産と呼ばれる企業の破綻は、この2つの概念の差によって生まれる。
売上100万円が発生した。入金は来月末。
発生主義の場合、今月末で〆ると、売上:100万円となる。
仮に経費が50万円だとすると、利益は50万円。
これが現金主義になると、
売上:0円。
経費は都度発生しているだろうから、△50万円。
つまり、利益は△50万円。
発生主義と現金主義との間で、利益ベースで計100万円の差が生まれる。
これが、黒字倒産へとつながっていく。
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