【コロナ影響によるセーフティネット5号保証による銀行借入を検討されている方へ】
- 2020.03.04
- コラム
セーフティネット5号保証の申し込みに関するご注意です。
先日、経済産業省より、
「新型コロナウイルス感染症に係る中小企業者対策を講じます」
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303002/20200303002.html
とのお知らせが出ました。
いわゆるセーフティネット5号保証の「特別枠」の実施です。
この申し込みにあたって、注意しておきたいことが3点あります。
1.保証枠を使い切っていても利用可能
誤解されていることが多いのですが、今回の5号保証は、「特別枠」です。
保証協会の枠(いわゆる一般枠)は最大8000万円ですが、すでにこの枠を使い切っていても、借入可能です。
また、これもあまり言われていませんが、債務超過でも借入可能です。
ただし、あくまで対象業種に限られます。
2.既存借入の消込に充当されないように
このセーフティネットは、「追加融資」です。
ところが、特にプロパー融資(無担保)がある場合、このセーフティネット5号保証で借り入れる分で、現在の借入残を「相殺」に利用される恐れがあります。
例えば、今、銀行からプロパーで1億の借入残があるとします。
そこへ今回のセーフティネットで新たに5000万円借り入れると、手元現金は5000万円増えます。(もちろん、その分借入残も増えますが)
ところが、銀行からの指示で、この5000万円を既存の借入残の消込みをさせられてしまうと、手元現金は増えず、単に借入残が5000万円に減るだけになってしまうのです。
セーフティネットの申し込みにあたっては、決して銀行に任せるのではなく、自社でハンドリングして調達するようにしましょう。
また、複数行から借入残がある場合、今回の申し込みについては、窓口以外の銀行には伏せて実行してください。(この騒動の長期化を見越して、回収モードになる恐れ)
なお、資本の場合も同様です。ステークホルダーへの不用意な発言、発信は慎み、確実に運転資金を保護してください。
3.銀行から断られた場合
セーフティネットを申し込む際、一般的には、口座のある(取引のある)金融機関に相談するのが普通ですが、銀行が信用できない、もしくは断られた場合、各自治体(市レベル)に設置されている保証協会へ直接相談することをオススメします。
3−1.保証協会に直接相談するメリット
理由は2つです。
1つは、上述のとおり、新規借入を狙った既存借入の「消込」の防止。
保証協会と連絡を取っておくことで、情報が公になり、銀行による勝手な行動を防ぐことができます。
2つめは、銀行からの情報の確認です。
残念ながら、金融機関の人員のレベルの低下には著しいものがあります。銀行員=優秀というのは10年前から幻想です。(池井戸潤の世界は化石の世界です。メインバンクなんて銀行員も使いませんし、そんな認識もありません)
申し込んだにも関わらず、「枠がない」「保証協会が承認しない」「今回の5号対象業種ではない」など、手続きの手間を省きたいために「保証協会への確認もせず」、そのまま断ってくることが高い頻度であるからです。
3−2.保証協会へ相談すると
保証協会からは、一通り相談したあと、最後に「銀行に申し込んでください」と言われます。なんだ、結局銀行に相談するんじゃないのかと思われたかもしれませんが、ここで必ず「相談履歴」が残ります。
銀行の担当者が微妙な場合(能力的に難あり)、この相談履歴が強い「お札」になるのです。
もし、
保証協会 → 銀行へ相談 → ダメだと言われた
となった場合、ここで、もう一度保証協会へ相談してください。すると、かなり高い確率で「保証協会から、銀行へ連絡を入れて」くれます。結果、100%の確率でOKが出ます。
保証協会と銀行の関係
ほとんど知られていないことですが、銀行と保証協会の関係は、絶対的に保証協会が上です。(保証協会>>>>銀行)
銀行の態度に問題がある場合、保証協会から承認を得られなくなる(全部プロパーで対応することになる)恐れがあるため、銀行は必ず保証協会の指示に従います。
最後に
繰り返しになりますが、銀行の対応が微妙な場合はすぐに保証協会へ相談し、そこから銀行へ連絡するようにしてください。
また、複数行から借入残がある場合、今回の申し込みについては、窓口以外の銀行には伏せて実行してください。(この騒動の長期化を見越して、回収モードになる恐れがあります)
なお、資本の場合も同様です。
ステークホルダーへの不用意な発言、発信は慎み、確実に運転資金を保護してください。
(これを機に、投資している資本の引き上げ用になる恐れがあります)
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