差別化ってなんだろう【いまさら聞けない発想の超基本】
- 2024.03.28
- いまさら聞けない発想の超基本
そもそも、差別化って何なのでしょうか?
あらためて考えてみたことありますか?
独自の機能?
ネーミング?
優れたマーケティング?
考え始めるとキリがなさそうですが、ちょっと立ち止まって、企業側からではなく、ユーザー側、つまり消費者側から考えてみませんか?
例えば、あなたは急きょ来週、出張することになった。
そういえば、最近ビジネスホテルの価格が上がっているなぁ。
ホテルどこにしよう・・・
駅前には・・・幸い東横イン、スーパーホテル、アパホテルといろいろありそうだな。
どこにしようか・・・・とあなたはいろいろなサイトを見て回ります。
さて、ビジネスホテルを選ぶとき、あなたは何を優先順位の1番にもってきますか?
・駅から近い
・朝食が無料
・大浴場がある
ほかにはどうですか?
おっと、一番大事な「価格」を忘れていました。
ちゃんと出張費に収まるのかどうか、超重要です。
となると、優先順位は、
1)宿泊費が安い(経費に収まる)
2)駅から近い(時間ギリギリまで寝ていられる)
3)大浴場がある(疲れを癒やしたい)
4)朝食が無料(コンビニで買わなくて済む)
といった感じでしょうか?
1は絶対条件ですよね。
自腹を切るわけにいかないですから。
2~4の優先順位は人によって変わりそうです。
でも、できれば付いていて欲しい。
いろいろと条件を上げてみましたが、重要なことはただ1つ。
この4条件をどれだけ満たしているか。
あなたにとって重要なことは「それだけ」だ、という点です。
それ以外は知ったことではありませんよね。
(うーん、この価格でやっていけるのだろうかとか、スタッフの人は大変そうだなぁとか、やさしいあなたはそう思うかもしれませんがほとんどは気にしません)
さて、あなたの場合、どうやらホテルに戻ってからも仕事の続きがありそうです。(イヤですねー)
その日のうちにMTGの報告書を残念な上司に送らなければならない。
(見てもいねーくせに)
どんな意味があるのかとぶつぶつ言いながらも、ノートパソコンを広げる必要がある。
となると、それ用のデスクが欲しい。
5つめの条件の誕生です。
仕事はやらないと評価に響くので、2番目に来ますよね。
デスクはMustです。
予算内に収まって、かつ仕事ができるデスクが付いている。
となると・・・
どうやら「アパホテル」が当てはまりそうです。
あなたにとって必要な条件が揃っているからです。
ここで一旦振り返って、このまま企業側に置き換えてみましょう。
利用者であるあなたに自社のホテルを選んでもらうためには、
・価格は抑えめ
・全室に作業用のデスクがある
少なくともこの2つの条件はクリアしておく必要があるわけですよね。
これがあなたに選んでもらうための「差別化」の正体です。
どれほど豪華な朝食が付いていても、肝心な価格やデスクがなければ、あなたが選ぶことはありません。むしろ、朝食のせいで価格が高いなら余計です。
差別化とは「選んでもらうためのもの」
競合と差別化するという言葉からだと、どうにかして競合との違いを!と思いがちです。
間違っているわけではないのですが、微妙に違いますよね。
あくまでも「お客さんにとって」「必要な条件」もしくは「あればうれしいもの」。
これが「差別化」なのです。
さきほどのあなたの場合なら、
・出張費に収まる価格
・仕事ができるデスク
がそれです。
競合との違いを出すんだ!と考えて、例えばペットOKにしてみる(わかりやすくかなりトンチンカンな例です)とどうでしょう?
・・・・・ダメですよね。
少なくともあなたには必要ありません。
むしろ、ペットの鳴き声とか聞こえてきそうで速攻✕です。
ビジネスホテルを利用するお客さんにとって、必要な違いになっているかどうか。この1点です。
それ以外は、どれほどスゴイものであったとしても、差別化にはならないのです。
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