【運用コストは0円】アナログで見つけた秀逸なビジネスモデル
- 2016.05.17
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新しいビジネスモデルを考えるとき、他から「パクる」ことが大切ですが、何もかも同じレベルで考えては意味がありません。
例えば、マッチングサービス。
クラウドで活発ですが、ここからパクって他に何かできないかと考えるとき、同じ「クラウド」でシバリを入れては良いビジネスモデルは生まれません。
あくまで提供したいのは、マッチング。
つい、インターネットで考えがちですが、これを逆転させ見事に成功している事例があります。
アナログ系マッチングサービス
その名も「知るカフェ」。
http://shirucafe.com/
全国にある大学のすぐそばに店舗を構え、就活でしか会うことができない学生と企業が出会う場所というコンセプトのカフェです。
大きな特徴はこれだけではありません。
学生側のカフェ利用は無料であること。
すべてスポンサー企業によって運営費用が賄われています。
また、運営はすべて学生が行っており、カフェ運営を実践型インターンシップとして社会体験も積んでしまうスタイルです。
この方法はある他業種の先行事例がヒントになっています。
それは、相席居酒屋。
知るカフェはまさにこの就活版と言えると思いませんか?
相席屋
http://aiseki-ya.com/
相席居酒屋は、従来の合コンや街コンではなく、居酒屋形式で始めての人(男女)が知り合う機会(マッチング)を提供する”機能型”居酒屋です。
一般的な居酒屋は、飲み会などを開く場と食事を提供する、「飲食店」です。一方の相席居酒屋は、ここに人が出会う場所という機能を付けたわけです。
アナログならではの利点
インターネット上で行うマッチングは、運営側からすると便利ですが、利用者側からすると相手の顔が見えない「不安」が残ります。
どれほどエスクローサービスが進んでも、この点はそう簡単に解消されないでしょう。
古い言葉ですが「膝と膝を突き合わす」ことは人と人とが知り合う上でこれ以上ない方法です。知るカフェも相席居酒屋もまさにこうした不安を逆手にとっているわけです。
気を付けたいこと
マッチングサービスは、人そのものに関わることです。
婚活、就活などマッチングサービスすべてに言えることですが、ビジネスの成功を急ぐあまり、短期間での「拡大」を目指すのは危険です。
サービスレベルにばらつきが出るなどに手や目が届かなくなるからです。
どんなビジネスにも「沸点」があります。
ここを超えたとき、必ず運用に亀裂が入ります。それは沸騰したお湯が土鍋からこぼれ出すように。
実際、冒頭にご紹介した知るカフェも、急拡大をせず(スポンサーの確保に時間を要するのかもしれませんが)、様々なメディアに取り上げられている今もまだ11店舗です。
今後、上場の可能性もあるかもしれませんが、企業側が求める大学は当然、どこでもいいというわけではないでしょう。直近の店舗がインドになっているのもこの店を十分踏まえてのことだと思われます。
ビジネスは、軌道に乗るまでより、勢いが出てきたときこそ要注意です。
ぜひ、この点を抑えつつ、デジタル→アナログのような逆転の発想で新しいビジネスモデルを生み出してみてください。
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