【かかるコストは最大600円】危ない取引先を見抜く方法7つ_0511改訂版
中小企業は、上場企業と違い取引先の財務状態を知る手立てがありません。
帝国データや東商といった調査系会社の情報は「リアルタイム」ではなく、古ければ1年以上前のものだったりするため、役には立ちません。
では、いったいどうやって取引先の状況を知ればいいのか。
10年以上に渡る「金庫番」の経験で得た、数字なしに取引先の状態を知る方法をご紹介しましょう。
1.取引銀行数がやたらと多い
経験上、たとえ資金需要の多い「不動産関係」であっても、10行以上の銀行口座をもっている先は要注意です。
会社案内、WEBサイトにある取引先銀行名などを確認してください。
2.取引銀行の支店名がバラバラ
銀行数が多く、かつ支店名の地域がバラバラになっているのはさらに危険です。
銀行口座は、本支店または営業拠点のある地域でしか開設できません。
意図的に営業拠点を増やして、口座を開設している可能性があります。
非常に危険な傾向の一つです。
3.振込先の銀行口座がよく変わる
税務署や年金事務所などの差し押さえを受けている可能性があります。
差し押さえから逃げるために、頻繁に銀行口座を変えているのです。
1度くらいであれば何の問題はありませんが、半年もたたないうちに請求書の振込先が変わるようであれば、要注意です。
4.移転が多い
よく知られた傾向です。
家賃削減のための移転はよくありますが、短期間(1、2年程度)のうちに、2度3度と重なったときは、要注意です。
かなり高い確率で資金繰りが「危険水域」にあります。早急に取引内容を確認し、与信枠の見直しを強くお勧めします。
5.オフィスがやたらと豪華(もしくは過剰にいい住所)
社歴の短い先で、バーチャルやシェアオフィスでもなく、実際に賃料の高い場所を借りている先は要注意です。
頻繁に人が訪問する業態であれば、多少は仕方がない(広告宣伝を兼ねた有効なコスト)のですが、程度もあります。
半年から1年程度で移転した場合、事業内容が逼迫し始めていると考えて差し支えありません。
6.人の入れ替わりが多い
これも有名な傾向の一つです。
営業担当や窓口が1年も経たないうちに変わったときは、要注意です。
できれば、打ち合わせなどを設定して先方へ定期的な訪問をお勧めします。
中でも経理担当、財務担当が退職するのは危険なシグナルです。
会社の数字を抑えているので、代表者以上に数字の見通しを把握しているためです。
少しでもおかしいなと感じたら、適当な理由をつけて、自社の経理担当者から問い合わせの連絡を入れてみましょう。
可能であれば、定期的に経理担当者間のやりとりをお勧めします。(請求書や契約書の内容の確認など)
7.話の内容が大きい
事業家に野心は不可欠ですが、実態が伴っていなければ、ただの妄想です。
残念ながら、事業破綻させる会社経営者には、やたらと大きな取引の話をする傾向があります。
マスメディアによく登場する人物の話、この話がうまくいけば◯億円の売上になるなど。できているなら、もう実行できているはずです。
もちろん、まれに本当の話もあります。
しかし、事実であれば普通は成立するまで外部の人間に計画を漏らすはずがありません。
身の丈に合わない話をよくする先には注意を払っておきましょう。
8.最後に、もう一つ
少しお金と時間を要するので、余裕のあるときに確認する方法です。
法務局へ行き「登記簿」の写しを取ること、です。
「会社・法人の登記簿謄抄本又は登記事項証明書」 1通600円です。手続きはとても簡単です。
- 調査したい企業について「申請書」に記入
法務局にも記入用紙は置いてありますが、できれば事前に記入しておい
たものを持参するのがスムーズです。 - 法務局で印紙(600円)を購入
- 申請窓口に提出
番号札を渡されるので、しばらく待ちます。 - 番号を呼ばれ、謄本を受け取る。
手続きにかかる時間は法務局によりますが(駅前の大きな法務局や本局
などはかなり混雑します。)受付後5分から20分程度です。
こうして取得した登記簿謄本で確認するのは、次の3つです。
1)代表者、役員の住所の変更
2)取締役の変更(退任など)
3)株主および株式数の変更
やたらと変更がある場合、要注意です。
特に3)の株主や株式数の変更はよくチェックしておいてください。
まとめ
財務情報なしで、危ない取引先の見抜き方をご紹介しました。
大企業ですらどうなるかわからない時代です。 ぜひ、少しでもおかしいなと感じたら、ぜひ調べてみてください。
1.取引銀行数がやたら多い
2.取引銀行の支店名がバラバラ(本社が六本木なのに池袋支店など)
3.振込先の銀行口座が頻繁に変わる
4.移転が多い
5.オフィスがやたら豪華または青山などいい住所
(バーチャル、シェアは除く)
6.人の入れ替わりが多い
7.話が大きい
先手必勝こそが、御社の資金繰りを守りより安定した財務基盤につながります。
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