目的を変える【今さら聞けない発想の超基本】

目的を変える【今さら聞けない発想の超基本】

どんな商品やサービスであっても必ず利用する「目的」があります。

例えばチョコレート。

甘くておいしいですね。
目的は小腹を満たすこと、疲れたときにリラックスすることなどです。

家具。

その目的は服や小物を片付けたり部屋の見た目を変えたり、座ったり寝たりすることが目的です。

こうした商品やサービスの目的を変えることで、新しい価値を持たせることができます。

目的を変えた例1

鉄道です。

本来の目的は移動です。車や自転車自動車と同じですね。
その価値は「速い」そして「時間通り」といったものがあります。

つまり、できるだけ早くそして確実に目的地目的地に着きたい時、鉄道を利用するわけです。特に日本の鉄道は、時間の性格さ安全性などで世界トップクラスだと言われています。

こうした鉄道の目的を変えてしまったのがJR九州です。

九州旅客鉄道株式会社(JR九州)
https://www.jrkyushu.co.jp/

「A列車で行こう」、「ふたつ星」、「あそぼーい」といったD&S(デザイン&ストーリー)列車と呼ばれるものがズラリ。

一度は乗りたくなるものばかりです。
鉄道の目的である、移動することから乗る楽しみへと目的を変えてしまったわけです。

今ではほとんど見なくなった寝台列車も同じですね。
移動することだけが目的なら時間優先。断然飛行機の方が上です。
2時間もあれば日本各地のほとんどの場所に到着します。
そこをあえて寝台列車に利用することで、乗るプロセスが楽しめるわけです。

目的を変えた例2

鉄道続いてもう一例。
おむつです。

おむつ=赤ちゃんと言う印象が強いですが、大人も使用します。
年配の方です。

年齢を重ね尿漏れが起きやすくなるためです。

尿漏れを防ぐためにおむつを履く。
当たり前のことに聞こえるのですが、正直、履く本人にとっては気持ちの良いことではありません。
否が応でも歳をとったことを再確認させられてしまうからです。

そこでオムツが持つ目的を別のものに変えてしまったのが歩行アシストパンツです。

ライフリー 歩くのらくらくうす型パンツ/ユニ・チャーム株式会社
https://jp.lifree.com/ja/product/adult/walking_assist_underwear.html

足腰の負担を減らすための骨盤サポートや、歩幅が広がるといった歩行補助機能がついており、尿漏れ防止の印象がぐっと減っています。

これなら、履く人にとっても「尿漏れ」ではなく「歩くために履くんだ」と頭を切り替えることができますね。

別のニーズに光をあてる

鉄道とおむつの例からもわかるとおり、「別の目的」=「別の価値」を追加していることがわかります。これがそのまま差別化になるわけです。

では、どうすれば別の目的を見つけ出すことができるのでしょうか。

答えは小見出しの通りです。

別のニーズに光をあてる。
これだけです。

ほとんどの商品やサービスには必ずといっていいほど、複数のニーズが埋まっています。

例えば、学習塾。

・行きたい高校や大学に受かる

一番の目的はこれでしょう。

これ以外にニーズはありませんか?
例えば、

・家から近い
・わかりやすい(やさしく教えてくれる)
・自分の理解度に合わせて教えてくれる
・授業料が安い

ことなども当てはまりますよね。
いい大学(高校)に行きたいわけではなく、ちゃんと学校の勉強についていけるようになりたい。こうしたニーズも確実にあるわけです。

受験に合格すること=鉄道で言えば移動すること、はもちろんです。
それとは別の目的(ニーズ)も満たすことで差別化が実現するわけです。