ターゲットを変える【いまさら聞けない発想の超基本】
- 2024.03.24
- いまさら聞けない発想の超基本
ターゲットって何?
そもそもよく耳にする「ターゲット」とは何なのでしょう。
平たく言えば、「買ってくれそうなお客さん」のことです。
例えば、鉛筆。
ターゲットは誰でしょう?
・子ども
がすぐ思い浮かびますね。
他にはどうですか?
・画家
・受験生
もですね。
子ども、画家、受験生が鉛筆のターゲットになる。
(細かく上げればもっとありますね)
どんな商品やサービスであっても、必ずこうした「買ってくれそうなお客さん」があらかじめ想定されています。
さて、「ターゲットがいる」ということは・・・・
ターゲットになっていない人がいる、ということですよね。
ターゲットはこういう人と決めた瞬間、そこに当てはまらない人が生まれるわけです。(もちろん、すべての人がターゲットというビジネスもあります。ユニクロなどがその筆頭ですね)
そこで、当てはまらない人にフォーカスしてみるとどうでしょう?
そう、差別化になるわけです。
なぜなら、競合他社も「似た人がターゲットになっている」からです。
カップめんのターゲットを変えた
カップ麺を食べたことがない人ってまずいないでしょう。
日本発祥で、世界中で食べられている一大食品です。
その誕生は、今から50年以上も前。
日清食品の創業者安藤百福氏によって生み出された「カップヌードル」がその祖です。
コンビニに行けば、大きな棚狭しとたくさんのカップ麺が並んでいます。新商品もひっきりなしに登場します。
(市場規模は世界で約500億ドル、国内だけでも約7,000億円)
競争の激しさがよくわかります。
さて、カップ麺のターゲットはだれでしょう?
どんな人が思い浮かびますか?
・時間がない人
・食べ物にこだわりがない人
・カップ麺が好きな人
といった感じでしょうか?
まぁ、男性のイメージが強いですよね。
実際、男性の約3割がカップ麺を週1回以上食べると言われています。
カップ麺のターゲット=男性
コンビニの棚に並ぶ商品を見ていても、たしかにそうですね。
「大盛」や「具沢山」といった男性向けの印象が強いですし。
このターゲットをチェンジしてしまったのが、「赤いきつねと緑のたぬき(どこかの都知事のことではありません)」で有名な東洋水産の
「マルちゃん正麺」
https://www.maruchanseimen.jp/
です。
発売は2011年。かなりの後発です。
にもかかわらず、コンビニでは「どん兵衛」などと同じく定番ポジションに鎮座しています。
さて、ターゲットをどう変えたのか。
女性、それも家庭を持つ女性に変えたのです。
女性向け、それも仕事をする女性です。
総務省の2021年度「社会生活基本調査」によると、働く女性は、働く男性よりも家事・育児への負担が大きく、自分のための時間の優先順位を大きく下げているとの結果が出ています。仕事と家庭の両立のため「自分の時間を犠牲にした」と答えたのは93%にも上っています。
とにかく時間がない。
だからといって、家事を、とくに子育てを手抜きしたくない。
そうした心情にアプローチしたのが、この「マルちゃん正麺」なのです。
即席麺=手抜きというイメージがあります。
それをとても「即席麺とは思えないクオリティを提供すること」で、手抜きイメージを払拭したわけです。
このターゲットチェンジは見事成功し、発売から10年で累計販売数20億食を達成しています。
「これはこういう人向け」は古すぎ
10代の今どきのギャルが聴く音楽を50代のおっさんが聴いているなんてことはもう普通のことです。
逆も然りですよね。若い人たちの間では、昭和歌謡が流行っていると言われていますし。
世代や性別、住んでいる場所や職業といったことではもう区切ることはできないわけです。
こうした流れの中で、今なお「そのままになっているもの」があります。即席麺もその1つだったわけです。
で、どうですか?
まだまだありそうな気がしませんか?
これはこういう人向け。
いやーこれは若い人向けのものだから、と無意識に口にしてませんか?
自分みたいなおっさんには似合わないしとか。
・・・・それ、大チャンスです!
若い人向けだなぁと思ったら、すかさず、
「自分みたいなおっさん向けにできないかな?」
と考えてみましょう。
もちろん、あなたがまだ10代、20代ならその反対です。
これってシニアの人向けだよな。ダサいし。
と、頭をよぎったら大・大・大チャンス!!なのです。
若い人向けにアレンジできないかなぁと考えるのです。
いや、考えましょう。ぜひ、考えてください。
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