3プライス方式の格安葬儀ビジネスとは?

   

お坊さんの写真デフレが進む中、いままで外で済ませていたものを家で、というニーズがより強くなってきました。

わかりやすい例でいえば、外食→自炊。
そこへ目掛けて、見事な成果を出しているのが「冷凍食品」。特に、チャーハンはすごい注目を浴びていますね。

さて、できれば自宅で済ませたいのは飲食だけではありません。お葬式を自宅で行なう「自宅葬」なるサービスが登場してきました。

 

1.自宅で葬儀を行なう

「鎌倉自宅葬儀社」
https://kamakura-jitakusou.com/

上場企業のカヤックが手がける日本初の「自宅葬」専門の葬儀社です。

自宅で葬儀をあげることそのものは、旧来からあったそうですが、家族構成の変化や、共働きの当たり前化などによって、専ら外部の専門業者を利用することが一般化していました。

そこへ、新たに提案されたのが自宅で葬儀をすること。もちろん費用面のこともありますが、できれば家族やごく親しい人だけで葬儀を上げたいというニーズがあります。これは結婚式も同じですね。大々的にやる必要はないと。

費用面もとてもわかりやすくなっているのも特徴の1つです。

プランは3種類のみ。宗教的な儀式を必要としないシンプルプラン、宗教的な儀式を含めたセレモニープラン、すべてをカバーしたオールプラン。費用は55万円から135万円までと明快です。

2.成功する可能性

3つあります。1つは日本初であること。
後発参入の場合、市場が持つ性質によっては何社かの大手が占有している市場では、ロケットスタートが欠かせません。しばらく後にマネをされる恐れがあるからです。一方で、中小やベンチャーでひしめき合っている市場では、この心配はそれほどありません。

2つめは、費用が明確であること。
アマゾンが手がけ話題になったお坊さん便。旧来、葬儀関係でお金の話をするのはある種タブーに近いものがありましたが、すっかり形骸化しています。

他業界のサービスと同様に、明快な価格提示は、消費者に安心感を与えます。

3つめが、確実な需要があること。
冠婚葬祭はターゲットとして選ぶ間違いのない先の1つです。結婚式と違い、葬儀そのものを無くすことはできません。将来に渡って継続性のある市場です。

さらに、おまけのポイントとして、外部に専用の施設を抱えないことで、提供者側のコストを大幅に削減できるメリットもあります。(だから、低価格で提供できるのです)

3.ビジネスモデルの優位性

3−1.市場性

葬儀関係の市場は、次のグラフの通り、この3年で年間売上高は35.1%減少し、約1兆3千億円ほどになっています。

葬儀業の売上推移

経済産業省「特定サービス産業実態調査報告書」

一方で、対象となる老齢人口は増え続けており、平成28年9月現在、3,461万人と1年前から73万人増加しており、日本の全人口に占める割合は27.3%と過去最高になっています。(総務省統計局 統計から見た我が国の高齢者)http://www.stat.go.jp/data/topics/topi971.htm

あまり適切な表現ではありませんが、「市場」としては十分すぎるほどの規模があるのです。

3−2.参入障壁

市場のプレイヤーである「葬儀社」の数は増加傾向にあり、現在1万社を超えるほどです。

一時ニュースでも取り上げられたイオンの格安葬儀。約20万円で一式を行えると大きな話題になりました。従来の葬儀では平均で約150万円程度かかっていたことに比べると、約7.5分の1です。

結婚式と同様、今後さらに「格安化」「定額化」「簡易化」は進むでしょう。

一方で、葬儀業自体に関連する法規類は特にありません。設備を整え、登録を済ませれば、誰でも参入可能なため、老齢人口が拡大する今後、イオン同様に他業種からの参入が増えるでしょう。

3−3.結婚式との違い

注意したいのは、冠婚葬祭業として一括りになっていますが、葬儀は、結婚式のように大きなアレンジを掛けにくい点があります。(日本特有かもしれません)

つまり、「葬儀そのもの」を大きく変えてしまうということがあまり受け入れられない。特に古くからの慣習が残る地域などでは、従来からのままで行わなければならない「空気」があるかもしれません。

差別化を急ぐあまり大きすぎるアレンジを掛けてしまうと、ビジネスそのものが成立しない恐れがあります。

 

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