代わりに選ぶビジネスモデル
- 2016.08.30
- 事例集
- ビジネスモデル事例集
情報が多すぎて、どれを選べばよいかわからない。
スマホやパソコンなどの家電品、アプリやゲーム、本や雑誌などから日用品までトンデモないほど種類があります。
人間は選択肢が多すぎると、選べないことで「選ぶこと」そのものを諦めてしまう傾向があります。商品やサービスを提供する側としては、良かれと思ってたくさん出すわけですが、結果的に裏目になってしまっています。
例えば本。
年間で8万点もの新刊タイトルが出ています。1日1冊として、年間365冊。人ひとりが一生かけても目を通せないほどの数です。どれが自分にとって必要な本なのか。とても選べません。
こうした中で出てきた面白いビジネスモデルがあります。
その名も「本と美女選書」です。
美人があなたの悩みに応じた本を選んでくれる
「本と美女選書」
http://hontobijo.jp/
仕組みは明快です。
無料の利用者登録をし、悩みを書き込むと1〜2週間ほどでその悩みを解決してくれる7冊のリストを送ってくれます。
本そのものの販売はされていません。あくまで本の紹介まで。
利用料金は月額1,980円。
このビジネスの強み
本そのものを売るわけではない点がポイントです。
7冊分となると、仮に1冊1500円として10,500円。ちょっと高いですよね。本を売らないことでこの分の「在庫」も「返品」のリスクもありません。提供するのは「情報」のみ。取引あたりのいわゆる原価は0。販管費に載る人件費や通信費だけ。財務はとても身軽です。
利用者にとっても「リストだけ」にはメリットがあります。いきなり10,500円!と言われたらちょっと引きますが、リストだけなら気持ちはラクです。買えそうなものから手をだすことも出来ますし、古本屋などリサイクルショップへ赴くこともアリです。
本好きの人や仕事や勉強で解決策が載っている本を求めている人にとっては「選択の余地」がある有り難いサービスです。
この公式を使って考えられるビジネスモデルの例
代わりに情報を選ぶ。この公式を使って考えられるビジネスモデルの例としては、
・乳児・子ども用品
・リサイクル・アウトレット用品
・旅行情報
・就職・転職先情報
→ 口コミではなく、専門家による判断材料を提供
なども考えられそうです。
モノを売らずに、情報を売る。参入障壁はあまり高くありませんが、その分リスクも少なく済みます。今、何かいいビジネスモデルはないかと考えているなら、ぜひ検討の対象にしてみて下さい。
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