売上が伸び悩んでいるとき、ぜひ見直したい。ビジネスモデルの4つのポイント<前編>
- 2018.08.27
- コラム
今やどの業種・業態の成熟化しており、多くの経営者が「売上が伸びない」と悩んでいます。広告を打っても、そうそう成果がでることもない。一体どうすればいいのでしょうか?
ビジネスモデルを見なおそう
ありとあらゆるビジネスには必ずビジネスモデルがあります。どれほど小規模や零細であってもです。
例えば、大手企業の下請けとして定期的に受注をもらい、仕事をこなしているケース。一度契約してしまえば、安定して売上が立つ立派なビジネスモデルです。
大手企業の下請けとして十分な売上と利益があがっていた時代から東南アジアの新興国や中国の台頭によって、価格の戦いに突入。値引き要求が厳しくなり、これまで通りの利益が上げられなくなった。下請けのビジネスモデルが通用しなくなったのはこうした理由からです。
単純に売上が下がった、のではなく、下請けというビジネスモデルが新たな競合の出現によって成り立たなくなっただけなのです。
見直してほしい4つのポイント
その4つとはこれです。
1)集客
2)価値
3)価値の提供方法
4)対価
1)集客
集客と聞くと、TVCMやDM・FAX、メルマガやネット広告、SNSといった方法論がすぐに頭に浮かびます。
しかし、そうした手段ではなく、「何を伝えるのか」を考え直してほしいのです。
とはいえ、いきなりこの部分は出てきません。そのための2つめなのです。
2)価値
さきほどの下請けの話の場合、元請けに対して、「安くて品質がいい」だったかもしれません。
そうすると、「さらに安くて品質がいい」海外の製品に押されてしまうのは明らかです。
ここで見直して頂きたいのは、その提供しようとしている価値が、どんな軸の上にあるのか、です。
軸にはさまざまな種類があります。
さきほどのような、「価格」。
価格の軸はそのままだと、「高い」か「安い」しかありません。つまり、「直線的」です。
直線ですから、上か下か、前か後ろしかありません。そのままだと力のあるものに抜き去られてしまうのは、ある意味自然なのです。
もうお気づきだと思います。
価格という軸で戦うのなら、直線のままにしておかないこと。これがポイントです。
例えば松竹梅の価格設定は、これをうまく調整したものです。
ほかにも、「分割」。高いけど、費用負担を減らして、購入しやすくする方法もありますね。どうしても直線のままで戦うのなら、上か下かにおもいっきり突き抜けるほかありません。
価値の軸には、他にも、
「顧客」「場所」「品質」「素材」
といったものが考えられます。
例えば、さきほどの下請けのケースであれば、売り先を大手企業ではなく、消費者へ切り替える。いわゆるBtoBから、BtoCへ切り替えてみるのです。
実際、金属加工技術を使って、他にはないスマホ用ケースを売り出し成功している金型製造業などがあります。
もちろん、これまでは毎月放っておいても仕事が入ってきたのが直接個人から受注する手続きが必要になります。本当に売れるのかどうかも心配です。しかし、法人向けと異なり個人向けならではのメリットがあります。
それは交渉がしやすくなることです。
強気な価格をつけることも可能です。
大手の下請けにいれば、先方の予算枠に縛り付けられ、どれほどいい製品を作ったとしても、値段はさほど変わらないでしょう。競合との相見積によって厳しい価格での納品を迫られるかもしれません。
しかし、対個人であれば、商品やサービスの価値と広告次第では、何倍もの価格を付けても売れる可能性がでてくるのです。
もちろん、デメリットもあります。
下請けに入っていたときに比べると、すぐに売上が安定させるのが難しい点です。SNSやWEBサイトなどをフル活用して情報を拡散するなどの仕組みも必要です。しかし、今やこうした情報の拡散にはほとんどコストがかかりません。
(人手は必要ですが)大きな広告費用を使わずともいくらでも販路を確立することができるのです。
物事には、いい面と悪い面があるものです。下請けに入れば、すぐさまお金になるが、利益が厳しい。
一方で、対個人向けに切り替えれば、すぐに売上は確保できないが、その分利益を高く取れる可能性がある・・・・どちらが良いか悪いかということではありません。
今の状況で見比べて、どちらが時流にマッチしているか。していないのであればできるだけ早くビジネスモデルを切り替える。こうした変幻自在のスタンスがもっとも重要なのです。
ぜひ、いまどの軸足で戦っているのか、まずチェックしてみてください。
そして、いままでとは違う軸足に切り替えて考えてみましょう。御社も驚くような爆発的な売上につながるかもしれません。
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