ソフトバンクがヤバいと言われている理由
- 2019.12.17
- コラム
ソフトバンクと聞けば、携帯電話の会社、もしくはネット回線の会社であると思い浮かべる方が多いと思います。実は、どちらも正解なのですが、正しくは事業投資会社であり、“本業が何であるかわからない”と言われることも少なくありません。
ソフトバンクはソフトの卸会社としてスタートした後、優位性を得られると判断した事業に積極的に参入してきました。そんな同社の勢力が一気に高まったのが、携帯電話事業とブロードバンド事業への参入でした。当時、どちらの事業でも圧倒的シェアを誇っていたリーディングカンパニーが存在しており、ソフトバンクは後発隊でしたが、今日はそれらと肩を並べています。
その理由は、とにかく価格を安くして顧客の取り込みを行ったためです。この結果、競合他社も値下げを余儀なくされたのですが、それは競合他社にとってソフトバンクとの差別化を行うものではなく、消費者目線で見ると、やっと肩を並べただけに過ぎなかったため、ソフトバンクのシェア拡大を止めるものとはなりませんでした。
以降、携帯電話事業とブロードバンド事業の収益をもとに、儲かりそうな事業を次々と買収し、今日のソフトバンクとなっているわけですが、買収にはもちろんリスクがつきまといます。
買収には巨額のお金が必要であり、そのお金は銀行から一時的に借りて調達します。お金を借りる以上、返済が必要となり、その返済金を事業利益から賄うのが一般的です。
もちろん計算通りにいけば、何も問題は無いのですが、儲かると見込んでいた事業を巨額で買収した後、予想に反して赤字となってしまえばどうなるでしょうか。
携帯事業やブロードバンド事業の利益から支払われる返済金の負担が生じたまま、赤字事業にソフトバンクがこれまで溜めこんできたお金は垂れ流しとなってしまいます。こうなれば経営状況も当然、悪化します。そして、このような状況へと現在のソフトバンクが追いやられているのではないかという報道が目立っています。
ソフトバンクの経営危機が叫ばれているのは、100億ドル以上を投じてきた米国のウィーカンパニーが思うように業績を挙げられず、ソフトバンクの経営見込みに大きな狂いが生じたためです。
2019年9月の中間連結決算では前年の1兆を超える黒字から一転し、157億円の赤字となっています。ウィーカンパニーの件はソフトバンクの投資先のひとつにすぎません。右から左へお金を動かして事業投資してきたリスクが連鎖的に大きくなっているとの声も多く見られ、一部では倒産危機に面しているという評価もあります。
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