~新・ビジネスモデルの発見~「ビジネス化が不十分な業務」を狙え!
- 2016.05.30
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新しいビジネスモデルを考えるとき、既存ビジネスのアレンジがもっとも一般的ですが、「ビジネス化が不十分な業務」を狙うという視点もアリです。
実は見事な展開をしている企業があります。
不足している部分を埋めて成功
その企業は、今話題の「ウォンテッドリー」です。
https://www.wantedly.com/
創業5年目にして、40万人超の登録者、約14000社の企業が利用する人材紹介アプリ企業です。
この企業が行うビジネスモデルこそ、既存ビジネスでまだビジネス化されていない点を埋め、成功している見事な事例です。
一般的に、企業が人材採用する大まかな流れは、
①「募集」→②「応募」→③「書類選考」→④「面接」
具体的には、
・企業側にWEBへの募集広告を出してもらう。
・それを見た転職希望者がサイトへ登録し、書類選考に応募する。
(または営業担当者が企業の依頼ごとに希望者から選び出し、連絡を入れる)
・営業担当者による人海戦術であれば、転職希望者の履歴書を持って、各企業を周り、直接提案する
といった感じでしょうか。
実は、この流れのどこかに「ビジネス化が不十分な部分」があるのです。
そうです。③以降です。
リクルートなど人材サービスの多くは、①と②を人海戦術またはネットサービスで代行しています。WEB系のサービスも同様です。
「そりゃ、書類選考と面接だから企業側が行うに決まっているだろう。人材紹介会社が口出しできるところじゃない」
普通に考えれば、そうです。
しかし、裏を返せば「十分ビジネス化されていない」とも言えます。
ウォンテッドリーはまさにこの部分を突きました。
採用に潜むリスクを解消
採用には、企業側にとっては大きなリスクが潜んでいます。
「書類を通過させたのはいいが、面接で合ってみると・・・・・」
まぁ、よくある話です。
応募者側にとっても同じです。いい会社だなぁと思っていざ応募して見ると、
「おいおい、話が違うだろ」
ということがときに起こります。
双方にとって、採用は一歩間違えば不幸の代名詞になりかねないリスクを持っているのです。
ウォンテッドリーは提供したのは、企業と転職希望者の「コミュニケーションの場」。これをfacebookと専用アプリで構築しました。
いきなり面接で判断ではなく、チャットやソーシャルアプリを通して事前に企業側と転職希望者がコミュニケーションを図ることで、採用リスクの軽減と転職希望者側の情報量増加を実現したわけです。
さらに、採用企業側にかかる利用料をベンチャー企業でも十分支払い可能な35,000円からとしました。
このビジネスモデルで、創業5年目の今年ウォンテッドリーは見事に当期純利益で黒字を達成。
利益準備金はまだマイナスですが、前年から大幅に減少。雇用の流動化が進む今、ますます拡大する可能性を秘めています。
新しいビジネスモデルを生み出すために欠かせない「問い」とは
業務フローを分解して、まだ「ビジネス化されていない部分」をぜひ探してみてください。
このとき、気をつけたいのが”常識”。
これはこういうもんだろうという先入観です。
成功しているビジネスモデルの多くが、この先入観を打ち破ったものです。
常識や先入観を壊し、新たなビジネスモデルを生み出すために欠かせない問いがあります。
「なぜ?」です。
なぜ、そうなっているのか。なぜ、そうでなければならないのか。
そうでなかったら、反対にしたら、他の方法で置き換えたら、どうなるのだろう。
ぜひ、日頃から「なぜ、こうなんだろう?」という問いを意識してみてください。
あなたも驚くような思わぬチャンスを出会うかもしれません。
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