待ち時間に「価値」を提供するビジネスモデル

待ち時間に「価値」を提供するビジネスモデル

 

先日、auがショップ内に飲食コーナーを儲ける話が出ていました。携帯ショップの中に、飲食コーナー。

なぜ、こんなことをするのでしょうか?

 

お客さんを飽きさせないだけではない

ほとんどの方が利用していると思いますが、タイミングが悪いと結構な時間待たされるのが、「携帯ショップ」です。

とにかく忙しいこの時代、無為に何十分も待たされるのは苦痛でしかありません。

auがこの方法を導入したのもこのためです。
飲食コーナーを儲けることで、待っている人がコーヒーなどを飲みながら、ゆっくりと待つことができる。

さて、ここが重要です。
仮にコーヒー1杯だとしても、侮ることなかれ。
原価の安さはピカイチです。せいぜい数円から数十円。

さらに、一般的な喫茶店と違い、コーナーとして設けたこのケースの場合は人件費はそもそもショップで発生していますから、対コーヒーにはかかりません。

これが大きいのです。
実際この手法は、様々なところで使われています。
大手なら、BMWやホンダのカフェ、渋谷にあるロクシタン・カフェなどが有名ですね。

「いまさら、飲食コーナーやカフェの設置なんて投資はできない」

あきらめないでください。
多額の費用を掛けなくても、うまいやり方もあります。

例えば、
・乗り合いバスにお菓子の販売
・クリーニング店でDVDの販売

なんていうのものあります。
乗り合いバスの中に「1つ100円のお菓子コーナー」。
クリーニング店で受付のすぐ横で「DVD」の販売。

そんなもの売れるのか、と思いきや意外と売れるそうです。
使い古された言葉ですが、「ついで買い」です。
クリーニングの受付を待っている時間、バスに乗っている間の時間。これらをうまく活用した方法です。

なぜ、こんなことが通用するのか

人間の心理が大きく関係します。
携帯ショップであれ、乗り合いバスであれ、目的はそもそも決まっています。携帯に関する手続きであったり、目的地への移動ですね。

当初の目的は果たされているか、もしくは果たされる途中にある状態です。つまり気持ちに余裕がある。だから、別のことに目がむきやすいのです。

注意したいのは、本来のサービスがきちんと機能していることが前提です。

さきほどの携帯ショップの場合、もし手続きに不備があって、お客さんをイライラさせるようなことが起きれば、当然飲食コーナーも利用しないでしょう。

坊主憎けりゃ・・・・です。
クリーニング店もそう。きちんと仕上がるのは当たり前のことです。

安心感があるからこそのこのやり方だということをくれぐれもお忘れなく。

待ち時間に顧客の満足度を上げるために、ぜひ追加のビジネスを発想してみてください。思った以上の利益が生まれるかもしれません。

この公式でこんなことも考えられそうです

・美容室でのパーマや予約時間までの「待ち時間」
→ アサイーなど美容飲料の提供
・病院での診察や処方箋受け取りの「待ち時間」
→ ウォーキングなど健康に関する動画提供
・レストランでオーダーが出てくるまでの「待ち時間」
→ 簡単なボードゲームやクジ
※昔、百貨店のレストランで100円の占いの機械がありましたよね。
・映画館での上映までの「待ち時間」
→ スマホに電子化した映画のカタログや公開予定の予告動画の配信