不動産業に見る「ジャパネットたかた式」ビジネスモデル
- 2016.05.21
- 事例集
- ビジネスモデル事例集
ビジネスモデルはどこかから「模倣」することに尽きます。
「それはわかるけど、どこを模倣すればいいのかが、見つけられない」
簡単です。
お金が思いっきり眠っているところ、もしくは流れているところです。
ターゲットは市場の大きさで選びましょう。
とても役に立つのがこのサイトです。
マウスポインタを載せると、市場規模と前年比も出る優れものです。
「市場規模マップ」
http://visualizing.info/cr/market-size-map/domestic/#m=0&cv=0&cn=13369344&cx=52224&cr=10&l=0&f=0
このマップで上位5番目にある「不動産」で、見事なビジネスモデルを作り上げた事例をご紹介しましょう。
顧客の負担を減らす
2011年に設立されたばかりの会社です。
日本商業不動産保証
http://www.hangakukun.jp/
企業名のとおり、メインの事業は「不動産賃貸保証」。
これだけを聞いているとどこにでもありそうな気がします。
他と大きく違うのは、オフィスビルへの入居にかかる「敷金や保証金」への保証という点。
ご存知のとおり、オフィスビルへの入居には家賃の半年分から1年分を入居時に支払う必要があります。
例えば、賃料20万円とすると、半年分なら120万円。1年なら240万円。
資金に余裕のある会社ならどうってことはないのでしょうが、起業したてのベンチャーにとってはかなりの負担です。
そこでこの企業が行ったのが、「保証金半額」です。
通常、入居するテナントが用意しなければならない保証金の半分を、代わりに保証したわけです。
テナント企業はビルオーナーへは半分だけ支払う代わりに、日本商業不動産保証に年間保証委託料として、家賃の0.15〜0.30ヶ月分を支払います。
ビルオーナー側は、半分はテナントから、残り半分をこのサービス経由で受け取るのでリスクはありません。
要は、保証金の半分を一時的に肩代わりすることによって、本来なら初期コストとして借り手に大きな負担になる保証金の半分を「分割払い」に変えたわけです。
なぜうまくいくのか
不動産ビジネス全体の市場規模は、30兆円です。
そのうち、約3分の1の10兆円が保証金や敷金が占めるそうです。つまり、10兆円もの大金が眠っていることになります。
また、不動産ビジネスでは「保証金や敷金」は不可欠な要素です。
つまり、「需要」が尽きない。
だから、ビジネスモデルさえ間違えなければうまくいくのです。
自社が儲かるという発想では出てこない
どうすれば、顧客の負担を軽減できるかという発想がなりより重要です。
この方法の先駆けとも言えるのが
「ジャパネットたかた」。
http://www.japanet.co.jp/
金利、分割手数料をすべて自社で負担するというやり方で、今やショップチャンネル、QVCに続く日本第三位のテレビショッピング企業です。
紹介されている商品が欲しいけど、とはいえ大きな出費をするのには躊躇してしまう。他にも必要なものはあるし・・・・
この消費者の心の声を拾い上げ、「金利も手数料もかかりませんよ。だから、安心して月々数千円で購入してください。」としたわけです。
ポイントは、「扱っている商品」は同じというところ。
ここが「顧客の負担を軽減する方式」のキモです。
御社のビジネスで顧客が負担に感じている点を軽減できないか、検討してみてください。
特に、業界の常識になっているところにそうした金鉱脈が眠っていることがあります。
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